(え……? アンリ……様? って、まさか)
「旦那様でしょうか?」
エリーヌのその問いに彼は答えず、隣に駆け寄った側近のディルヴァールに問いかける。
「この娘は誰だ?」
「今朝もお話したアンリ様の奥様、エリーヌ様でございます」
「俺は、結婚したのか?」
「「はい??」」
あまりのすっとぼけた返答にエリーヌも、そしていつも冷静なディルヴァールでさえも目を点にして聞き返した。
そしてディルヴァールはすべてを理解したというように頭を抱えて、目を閉じる。
「アンリ様、またお話を聞いていませんでしたね?」
「ん? 俺は聞き逃してないぞ」
「い・い・え!! 結婚に関しては一昨日国王の署名付きの手紙をお渡ししたはずです」
「う~ん」
そんなやり取りをしている最中、エリーヌは何か床に落ちていることに気づき、拾い上げた。
「もしかして、これでは……?」
そこにはバッチリと国王の署名付きのエリーヌとアンリの結婚証明書があった。
しかもそこによく見ると、アンリのサインまでしてある。
「あ……」
「アンリ様? いい加減に内容を見ずに署名するのはおやめくださいっ!!」
「旦那様でしょうか?」
エリーヌのその問いに彼は答えず、隣に駆け寄った側近のディルヴァールに問いかける。
「この娘は誰だ?」
「今朝もお話したアンリ様の奥様、エリーヌ様でございます」
「俺は、結婚したのか?」
「「はい??」」
あまりのすっとぼけた返答にエリーヌも、そしていつも冷静なディルヴァールでさえも目を点にして聞き返した。
そしてディルヴァールはすべてを理解したというように頭を抱えて、目を閉じる。
「アンリ様、またお話を聞いていませんでしたね?」
「ん? 俺は聞き逃してないぞ」
「い・い・え!! 結婚に関しては一昨日国王の署名付きの手紙をお渡ししたはずです」
「う~ん」
そんなやり取りをしている最中、エリーヌは何か床に落ちていることに気づき、拾い上げた。
「もしかして、これでは……?」
そこにはバッチリと国王の署名付きのエリーヌとアンリの結婚証明書があった。
しかもそこによく見ると、アンリのサインまでしてある。
「あ……」
「アンリ様? いい加減に内容を見ずに署名するのはおやめくださいっ!!」