アンリの執務室の裏口──つまり裏庭への扉付近に、小さなベンチを作っていた。
元々は何もなかった場所なのだが、この日のためにエリーヌがロザリアに相談して作ったのだ。
そのベンチに腰かけてそわそわと楽しみそうに待つこと数十分。
扉を開ける音がした。
「エリーヌ?」
「あ、アンリ様! こちらです」
立ち上がってお辞儀をしながらこちらへと呼ぶと、アンリはエリーヌの隣に腰かける。
本当はくっついて座りたかったのだが、あるものが邪魔をして隣に座れない。
「エリーヌ」
「はい、なんでしょうか」
「このトレイに乗ったグラスの水と、ニョッキはなんだ?」
実はこれは水でもニョッキでもないのだが、そのものを知らない、見たこともないアンリにはそう見えて仕方がない。
エリーヌはその間違いを嘲笑うことなく、純粋に彼を可愛いなと思いながら白く丸い物体が刺さった串を手にとってアンリに見せる。
「実はこれはある東国の国の菓子で、『だんご』というそうなのです」
「だんご……?」
「ええ、よかったら……」
元々は何もなかった場所なのだが、この日のためにエリーヌがロザリアに相談して作ったのだ。
そのベンチに腰かけてそわそわと楽しみそうに待つこと数十分。
扉を開ける音がした。
「エリーヌ?」
「あ、アンリ様! こちらです」
立ち上がってお辞儀をしながらこちらへと呼ぶと、アンリはエリーヌの隣に腰かける。
本当はくっついて座りたかったのだが、あるものが邪魔をして隣に座れない。
「エリーヌ」
「はい、なんでしょうか」
「このトレイに乗ったグラスの水と、ニョッキはなんだ?」
実はこれは水でもニョッキでもないのだが、そのものを知らない、見たこともないアンリにはそう見えて仕方がない。
エリーヌはその間違いを嘲笑うことなく、純粋に彼を可愛いなと思いながら白く丸い物体が刺さった串を手にとってアンリに見せる。
「実はこれはある東国の国の菓子で、『だんご』というそうなのです」
「だんご……?」
「ええ、よかったら……」