「あ~──っ!!」
「声が……歌声が……」
久方ぶりに聞いた自分の歌声──
少しかすれてまだ本調子ではないが、響き渡った。
彼女は胸に手をあてて、うずくまって泣いた──
翌日、ルイスとディルヴァールに歌声が戻ったことを報告している最中、事件は起こった。
「アンリ様っ! エリーヌ様っ!」
「どうしたの、ロザリア」
ロザリアは珍しく慌てた様子でエリーヌに手にあった手紙を渡す。
それはエリーヌへの招待状だった。
「ゼシフィード様からの……それに公爵夫人としてではない。これは……」
アンリもその招待状を見てにやりと笑った。
「ふん、あいつ。ついに本気で潰されたいらしいな。エリーヌ、提案がある」
「はい、私もです」
二人は目を合わせて笑みを浮かべる。
(私はもう一度歌います、そうして、あなたに最高の鎮魂歌をお送りしますわ)
舞台の幕が上がった──
「声が……歌声が……」
久方ぶりに聞いた自分の歌声──
少しかすれてまだ本調子ではないが、響き渡った。
彼女は胸に手をあてて、うずくまって泣いた──
翌日、ルイスとディルヴァールに歌声が戻ったことを報告している最中、事件は起こった。
「アンリ様っ! エリーヌ様っ!」
「どうしたの、ロザリア」
ロザリアは珍しく慌てた様子でエリーヌに手にあった手紙を渡す。
それはエリーヌへの招待状だった。
「ゼシフィード様からの……それに公爵夫人としてではない。これは……」
アンリもその招待状を見てにやりと笑った。
「ふん、あいつ。ついに本気で潰されたいらしいな。エリーヌ、提案がある」
「はい、私もです」
二人は目を合わせて笑みを浮かべる。
(私はもう一度歌います、そうして、あなたに最高の鎮魂歌をお送りしますわ)
舞台の幕が上がった──