「よく思えば、ロラがあの晩、嘘の証言をして、毒を盛った罪を着せられたことで、私はアンリ様に出会えたといえます。しかし、私はまず聞きたい。本当に彼女が私をはめようとしたのか、もう親友でなくなったのか」
アンリは目を細めて厳しい表情を見せたまま、エリーヌに近づく。
そして彼女に問う。
「それでも助けたい?」
彼女の表情から汲み取って、アンリは最終選択を迫る。
本当に自分を傷つけた人間を救いたいのか、と──
エリーヌは拳を握り締めて強く訴えた。
「助けたいです。どうか、どうか、この非力な私に力を貸していただけませんでしょうか」
彼女は自分一人では助けられないことを重々承知していた。
公爵夫人とはいえ第一王子であり、元婚約者であるゼシフィードに以前真っ向から挑んで負けている。
だからこうして彼女は自分の無力さを自覚して、夫であるアンリに知恵を貸してもらえないかと頭を下げたのだ。
彼女の覚悟の言葉を聞いて、ふうと息を吐く。
「じゃあ、可愛い甥っ子に少しお灸を据えることにするか」
「アンリ様……」
「あの地下室の入り口までの隠し通路がある」
アンリは目を細めて厳しい表情を見せたまま、エリーヌに近づく。
そして彼女に問う。
「それでも助けたい?」
彼女の表情から汲み取って、アンリは最終選択を迫る。
本当に自分を傷つけた人間を救いたいのか、と──
エリーヌは拳を握り締めて強く訴えた。
「助けたいです。どうか、どうか、この非力な私に力を貸していただけませんでしょうか」
彼女は自分一人では助けられないことを重々承知していた。
公爵夫人とはいえ第一王子であり、元婚約者であるゼシフィードに以前真っ向から挑んで負けている。
だからこうして彼女は自分の無力さを自覚して、夫であるアンリに知恵を貸してもらえないかと頭を下げたのだ。
彼女の覚悟の言葉を聞いて、ふうと息を吐く。
「じゃあ、可愛い甥っ子に少しお灸を据えることにするか」
「アンリ様……」
「あの地下室の入り口までの隠し通路がある」