アンリは静かになった鷹とその鷹を抱き留めているエリーヌを見つめていた。
考え込むように顎に手を当てると、何やらぶつぶつと唱えだす。
そうして彼はようやく口を開いた。
「エリーヌ」
「は、はい」
「ロラ、とは君にとってどんな存在だ」
いつもの声色よりも低く、そしてひんやりとしたその声に彼女はびくりとした。
彼女からの返答をじっと待つように鋭い視線をエリーヌに向ける。
そのただならぬ雰囲気にルイスは声が出ず、思わずこの場から去りたいほどの緊迫感だった──
(ロラはどんな存在か……)
彼女とは幼い頃より舞台に立つ戦友でもあり親友でもあった。
家格も同じくらいであったが、エリーヌの家は一部新事業として革製品の生産と輸出をおこなっていたこともあり、家畜産業をおこなっていたロラの家と親しかった。
好きになる服や好きな本もよく一緒になり、いわゆる趣味が一緒の友達でもあった。
『ねえ、エリーヌ! この服どう思う?』
『う~ん。可愛いけど、ちょっとロラには甘すぎじゃないかしら?』
考え込むように顎に手を当てると、何やらぶつぶつと唱えだす。
そうして彼はようやく口を開いた。
「エリーヌ」
「は、はい」
「ロラ、とは君にとってどんな存在だ」
いつもの声色よりも低く、そしてひんやりとしたその声に彼女はびくりとした。
彼女からの返答をじっと待つように鋭い視線をエリーヌに向ける。
そのただならぬ雰囲気にルイスは声が出ず、思わずこの場から去りたいほどの緊迫感だった──
(ロラはどんな存在か……)
彼女とは幼い頃より舞台に立つ戦友でもあり親友でもあった。
家格も同じくらいであったが、エリーヌの家は一部新事業として革製品の生産と輸出をおこなっていたこともあり、家畜産業をおこなっていたロラの家と親しかった。
好きになる服や好きな本もよく一緒になり、いわゆる趣味が一緒の友達でもあった。
『ねえ、エリーヌ! この服どう思う?』
『う~ん。可愛いけど、ちょっとロラには甘すぎじゃないかしら?』