やはり土壌が良いのか裏庭で植物を植えるとよく育つらしく、ロザリアをはじめメイドや執事たちは夏場を中心にかなり手入れに苦労すると聞いていた。
エリーヌは食事を静かにソファの前のテーブルに置くと、ルイスに近づいていく。
「あ、食事ですか」
「はい、デッサンの後になさいますか?」
「いえ、今食べます。食事は出来立てが美味しいですから」
そう言って鉛筆を置くと、部屋の隅にある洗面台で手を洗う。
布で丁寧に水分を拭きとったあとに、テーブルのほうへとやってきた。
「お姉様もよかったら、僕のデザートをいかがですか?」
ルイスがそう言いながらソファに腰かけると、対面に座った彼女は隠し持っていたマドレーヌを手にして肩をすくめて笑う。
「ふふ、そのつもりで自分の分を持ってきちゃいました」
「意外と用意周到なのですね、お姉様は」
「はい、ルイスさんとお話がしたくて」
「兄が聞いたら嫉妬しそうですね」
「アンリ様はそんな器の小さな方ではないですよ」
自信満々に答えながらマドレーヌを一口かじる彼女を見て、ルイスは心の中で呟いた。
(そう思っているのはお姉様だけですよ)
エリーヌは食事を静かにソファの前のテーブルに置くと、ルイスに近づいていく。
「あ、食事ですか」
「はい、デッサンの後になさいますか?」
「いえ、今食べます。食事は出来立てが美味しいですから」
そう言って鉛筆を置くと、部屋の隅にある洗面台で手を洗う。
布で丁寧に水分を拭きとったあとに、テーブルのほうへとやってきた。
「お姉様もよかったら、僕のデザートをいかがですか?」
ルイスがそう言いながらソファに腰かけると、対面に座った彼女は隠し持っていたマドレーヌを手にして肩をすくめて笑う。
「ふふ、そのつもりで自分の分を持ってきちゃいました」
「意外と用意周到なのですね、お姉様は」
「はい、ルイスさんとお話がしたくて」
「兄が聞いたら嫉妬しそうですね」
「アンリ様はそんな器の小さな方ではないですよ」
自信満々に答えながらマドレーヌを一口かじる彼女を見て、ルイスは心の中で呟いた。
(そう思っているのはお姉様だけですよ)