それに先日の王宮夜会に行った際にどこかの貴族たちがエリーヌの良くない噂や歌声が出なくなったことを話しているのも耳にしている。
そうしてエリーヌは当時のことを思い出しながら語っていると、ふと今までの意識にはなかった記憶がよみがえってくる。
「そういえば……」
「どうしたの?」
「意識を失っていて起きた時に、甘い味がしたんです」
「甘い味……?」
「なんだかベリーの甘ったるい感じで……」
彼女の証言を聞いたアンリは顎に手を当てると、ぶつぶつと何か話しはじめた。
やがて何か思いついたように勢いよく顔をあげると、本棚のほうに急ぎ足で向かっていく。
上から二段目、三段目と本を指さしながら目的のものを探してせわしなく身体を動かしている。
「アンリ様……?」
やがて、四段目に差し掛かったその瞬間に、ある本を手に取ってページを何度もめくっていく。
数十ページめくったときに、彼の手が止まった。
「これだ……」
「え?」
アンリは持っていた本をエリーヌに見せると、文献のある場所を指さす。
そうしてエリーヌは当時のことを思い出しながら語っていると、ふと今までの意識にはなかった記憶がよみがえってくる。
「そういえば……」
「どうしたの?」
「意識を失っていて起きた時に、甘い味がしたんです」
「甘い味……?」
「なんだかベリーの甘ったるい感じで……」
彼女の証言を聞いたアンリは顎に手を当てると、ぶつぶつと何か話しはじめた。
やがて何か思いついたように勢いよく顔をあげると、本棚のほうに急ぎ足で向かっていく。
上から二段目、三段目と本を指さしながら目的のものを探してせわしなく身体を動かしている。
「アンリ様……?」
やがて、四段目に差し掛かったその瞬間に、ある本を手に取ってページを何度もめくっていく。
数十ページめくったときに、彼の手が止まった。
「これだ……」
「え?」
アンリは持っていた本をエリーヌに見せると、文献のある場所を指さす。