(アンリ様はどう思っているのだろう)
彼から聞いた二人の過去、そしてエマニュエル家の過去をアンリはどう思っているのか。
そっと彼に尋ねてみた。
「アンリ様は自分のせいだとお思いですか?」
「……」
ストレート過ぎたように思えたが、彼には回りくどい言い方や詮索などは通じないと感じた。
アンリは一度天井を見上げた後、窓の外に見える彼らの両親の墓石を見つめる。
「父上と母上を殺したのは俺だよ」
「──っ!」
「殺した」という強い言葉にエリーヌは心が裂かれるような思いになる。
「俺は人を不幸にする。弟から目を奪い、両親を奪って。俺は家族を不幸にするんだ」
ルイスの言った通り彼が自分を責めていることを知って、エリーヌは唇を噛みしめる。
彼は苦悩するように頭を抱えると、かすれた声で言葉を続けた。
「『毒』を研究した。弟の世界から色が消えたあの日から。でも治す薬は見つからない。文献であの『毒』の効果を消すには、彼の目を治すには今の薬では無理だと」
「それで『毒』をずっと研究なさっているのですか?」
彼から聞いた二人の過去、そしてエマニュエル家の過去をアンリはどう思っているのか。
そっと彼に尋ねてみた。
「アンリ様は自分のせいだとお思いですか?」
「……」
ストレート過ぎたように思えたが、彼には回りくどい言い方や詮索などは通じないと感じた。
アンリは一度天井を見上げた後、窓の外に見える彼らの両親の墓石を見つめる。
「父上と母上を殺したのは俺だよ」
「──っ!」
「殺した」という強い言葉にエリーヌは心が裂かれるような思いになる。
「俺は人を不幸にする。弟から目を奪い、両親を奪って。俺は家族を不幸にするんだ」
ルイスの言った通り彼が自分を責めていることを知って、エリーヌは唇を噛みしめる。
彼は苦悩するように頭を抱えると、かすれた声で言葉を続けた。
「『毒』を研究した。弟の世界から色が消えたあの日から。でも治す薬は見つからない。文献であの『毒』の効果を消すには、彼の目を治すには今の薬では無理だと」
「それで『毒』をずっと研究なさっているのですか?」