1、嫌いになんてなれないよ。



●無邪気さを忘れたくなかった。

君と一緒に何も考えずにはしゃぎ合うことができていたら、
きっと、この恋は終わらなかったんだろうね。
最後のLINEのメッセージは素っ気なくて、
お互いを知りすぎたからこそ、
余計に君が離れる決意をしたことがわかるよ。

ただ、一つ君に言い忘れたことがあるんだ。
無邪気な笑顔は無敵だね。





●奥手になった理由。

1人でいるほうが、
楽になってしまったのが、
いつからだったのかわからなくなるくらい、
独りに慣れてしまったんだ。

恋愛に臆病になったのもきっとその所為だよ。



●もし、なにかあっても。

もし、世界が激変して、
世界で二人きりになっても、
ずっと、君の手を繋ぐ自信があるよ。




●君はきっと、今、私が泣いていることなんて知らない。

君と離れ離れになり、
電波じゃ埋め合わせられない言葉じゃ、
もう、限界が来そうで怖いよ。

こんな弱音、言えないのはわかっているよ。
頭の中では。

ただ、深く思うの。
会いたいって。




●君に慣れすぎてたね。

お互い、最近、感謝すること少なくなったねと、
君はボソリとそう言ったから、
僕は自分のことが嫌になった。

君の好意に慣れきってしまっていたとしたら、
僕は今の当たり前を疑うべきだった。




●1ミリしか、すれ違わなかった恋は終わりそうだ。

君との連絡がすれ違いが続き、
もう、付き合っている意味がすでに見いだせなくなっていた。

すれ違う前の甘かった日々は、
あっという間に青いモヤがかかり始めていて、
iPhoneの待ち受けにした二人が虚しいよ。

今日も君からの連絡が来ないから、
過去に置いてきぼりにしている
カラフルな思い出に溺れそうになる。



●別れたあとの穴は塞がらない。

別れたあとの世界は淡々と進むけど、
心に空いた穴は未だに塞がらないよ。

キスをしたことや、
キズを癒やしあったことは、
すべて夢の彼方に消えてしまったね。

だけど、忘れないよ。
君に優しくされたことは。




●君との恋は永遠に続く。

最初から君のことが好きだったよ。
君を見た瞬間から、
この恋は上手くいくと確信した。

だから、今、こうして君と一緒にいれることは、
砂浜に落ちた星の欠片を集めて、
それをミキサーでミルクと一緒に混ぜて、
淡い黄色にするくらい、
特別なことだよ。




●あのとき言ってくれたことは本当だったのかな。

素敵な恋に溺れていた季節は、
あっという間に過ぎていき、
私だけが変われなかったよ。

寒い季節が終わり、
桜が咲き始めているこの時期も
君と一緒に居れると信じていたけど、
君は別の女子を選んだんだね。

だから、君が言っていた
好きは嘘だったから、
君とはもう会いたくない。

もう、恋もしたくないけど、
季節が変われば、
また、新しいことできるかな。




●揺れる朝を軽くするには重さが必要。

昨日の君とのやり取りが
朝、目覚めても鮮明だったから、
スタバでコーヒーを飲んでいるよ。

「もうこれ以上、好きになるのがつらい」と言われて、
憂鬱な君との恋は寒くて、蕾が開かない青い桜みたいだね。

ダイアリーを開き、
ペンで気持ちを書きなぐってみたけど、
君が好きになるのがつらいなら、
好き勝手にやればいいのかなって、
投げやりになるくらい、
つらい。

つらい、つらい、つらい。

これ以上の言葉が思いつかないから、
ダイアリーを閉じ、
マグカップを手に取りコーヒーを飲んだ。

もし、タイムスリップできるとしたら、
いつに戻れば、こんな気持ちにならないんだろう。




●みつけることなんてできないと思うよ。

君からの思いが規定量に満たないから、
どれくらい好きなのか聞くと、
「夏にポカリが美味しく感じるくらい好きだよ」って君は涼しい顔でそう言ったから、

私たちはポカリで乾杯をして、
そして、炎天下で失った水分をお互いに取り戻した。
まだ足りないから、
もう一度どれくらい好きなのか聞くと、
「かくれんぼで最初にみつけるくらい好きだよ」と言われたから、
私は絶対に君が探し出せない場所に隠れる練習をしようと決めた。

そしたら、底なしの私が君の好きや愛で満たされると思うから。





2、君はもう、 無理しなくていいよ。




●君はもう、無理しなくていいよ。


長い間、君は自分を犠牲にして、
人に合わせているのは知っているよ。

そして、もう君の限界も近いことも。

だから、今以上に、
もっと、力を抜いてほしい。



●大人になるのは難しい。


大人になるには、
2が味を味わうことが必要らしいけど、
それならコーヒーを甘くする私は、
きっと、まだ少女のままかもしれない。



●つよがらないで。


初雪のような切なさを持っている君は、
弱いように見えて、
実は誰よりも強いことを知っているよ。



●夏が離れるたびに落ち込む君は君らしくない。


君の泣き顔なんて見たくないよ。
だって、君は炎天下のひまわり畑で、
優しく微笑んでいるほうが100倍似合っていたから。
だから、夏の頃みたいに前を向いて笑って。



●雨で濡れた街で、青い君は揺れている。


雨上がりの夜に揺れる青のワンピースは、
君の青さを象徴しているみたいだよ。
そんな後ろ姿をiPhoneで、
プリズムのフィルターをかけて、
君の揺れる姿を保存した。



●セルフケアは大切。


頑張るつもりなんてないけど、
結果的にそうなってしまう自分が嫌だ。
日頃の傷で充電が切れたから、
今夜もココアを飲んで回復しよう。



●秋の中、君と嬉しさを共有する。


秋色のワンピースの君が振り向くと、
赤い裾が弧を描き、君は輝いた。
秋の柔らかくなった午後の日差しの中で、
君は嬉しさを爆発させていた。




●水色の気持ちは晴れない。


冷たい秋雨に打たれて、
天気予報を恨みたい気持ちになったけど、
そんなことに意味がないのはわかっている。
だけど、こんな悲しい気持ちの日なのに、
水色の絵の具に意地悪するみたいに、
外さなくてもいいじゃん。



●守れなくてごめんね。


優しくて切ない君のこと、
わかり切ってるつもりだったけど、
弱くて繊細な君を守ることができなくて、
ごめんね。



●休めるときに休んでほしい。


頑張る君に頑張らない魔法をかけるのは
すごく難しいことくらいわかってるよ。
ただ、休めるときに休んでほしいだけだよ。



●そのままの君で十分だよ。


世間に顔色をあわせることは、
命を削るような行為かもしれない。

だけど、君のその頑張る姿を見ていると、
笑顔の裏の悲しさが滲んでいることがあるから、
ありのままでいてほしい。



●秋の海で君の気持ちを知る。


嫌われたくないって言いながら、
人にあわせることがつらい君と、
誰もいない秋の海で夕日を見るのは最高だ。




●なにも変わらないことはわかっている。


「なにもできない」と小さく言っても、
なにも変わらないことはわかっている。
ただ、絶望癖を希望に変えたいから、
優しい言葉をかけてほしいだけなんだよ。



●君の前では。


君の前ではなぜかわからないけど、
弱いところ、見せたくないんだ。
ただ、それを見透かされているのは知っているよ。

素直になれなくてごめんね。



●周りの甘さを溶かすくらい、君はどんな人にも優しすぎる。


周りが君に甘えすぎているから、
君は自分を出せずに疲れ果てているよね。

そんなこと、気にしなくていいように、
君の大好きな冬季限定の
ストロベリーチョコレート買ってきたよ。



●不器用なことも知っているし、
 頑張っていることも知っているから、
 僕は君のことを止めることができない。


もう、頑張る必要なんてないよ。

そう言って簡単に君を止めたいけど、
肩の力をそう簡単に抜けないくらい、
君が不器用なのは知っているよ。



●秋は優しい君に触れられない季節だ。

君の手に触れようとした瞬間、
静電気の所為で、
差し出されてた君からの優しさに触れられなかった。

こうなるなら、
セーターなんて着なきゃよかった。
だけど、そのあとすぐに君の手が触れたから、
君のこと、素直に優しいなって思った。



●たまらなく一人になりたい時がある。


嫌いになりたくないのに、
夜の中で一人になりたくて、
君以外の何もかもが嫌いになるときがあるんだ。

だけど、日常生活は進むから、
そんな気持ちを隠して今日もしっかり歩くよ。

そんな自分を見透かして、
君から頑張ってるねって言葉をかけてほしい。



●明日、生まれ変わる予定だから、じっくりこれからを考えることにする。


冷たい雨がフル夜の街は銀色で、
その中で一人に慣れきっている自分が嫌になった。

誰にも嫌われたくない。
自分を出さずに我慢すれば丸くなる。

もう、そんな臆病な自分は嫌だから、
駅ナカでモンブランを買って、
ワンルームで明日のあり方を考えることにした。



●君の内側を知りたい。

君は不器用なのに頑張りすぎるから、
他の人よりも疲れやすいのは知っているよ。
今日は君が主役だから、
ココア片手に胸の内を話してほしい。



●君の言葉は過去を溶かす力を持っている。


リセットボタン押したいくらい、
過去の後悔はフラッシュバックするけど、
思ったより世界は優しいよって、
君が言ってくれたおかげで少しだけ楽になった。



●自分の気持ちに蓋をすることも慣れてしまった。


自分の気持に蓋をして、
コーヒーを飲んでも一向に晴れる気配はないや。

電球色のカフェの窓から、
曇った灰色の街をぼんやり眺めても、
誰かに認めてほしい症候群は収まらないよ。



●無敵な君は自分のことを守れない。


つらい気持ちを抱えたまま、
君は今日も素直に生きていることが、
君の生きづらさになっているよね。

君の素直さは、
無理しなくても無敵だから、
昨日も明日も、
あまり頑張ってほしくない。



●まだ過去の傷が痛む。


深く傷ついた心の傷はまだ癒えないけど、
日常を淡々とこなすしかないね。

誰かに優しい言葉をかけてほしいけど、
今は星に願いをかけるよりも難しそうだな。



●君と闇を切り裂く。


夜の淵で君が泣いている理由は知っているよ。
君は自分の不甲斐なさが嫌で、
自分を責めすぎただけなんだ。
だから、今は君の手を繋いで、
黙々と秋の闇を切り裂くことに集中する。



●君が回ることで、きっと世界は救われる。


イチョウ並木の下で両手を広げて回る君は、
黄色の世界でスカートの赤で孤を描いている。

君がこうやって自由に回ることで、
きっと世界中のつらさは消えると強く思った。





【初出】
 1章
 完全書き下ろし

 2章 
 蜃気羊 X(@shinkiyoh)
 https://twitter.com/shinkiyoh
 
 2023.9.24~11.2