「私はこの度第七騎士団長になりましたラモン・バーンです。よろしくお願いします」
「ぷぷっ」
と、どこからか含み笑いが聞こえた。
ははは、二度目となると慣れたもんですよ。そうです、門番のモンバーンですよ~だ! ふん。
絶対、今度からどんな場面でもフルネームは言わないようにしよう。うん、そうしよう。
総団長はそんな些細な事は無視して続ける。
「これより再編成に伴う、各団からの要望を聞き受ける。順次報告せよ」
第二騎士団から現状報告と今後の要望を言って行く。
どの団も予算増加がメインになっているようだ。
私の番が来た。
「第七は騎士団員の増加と不要な武器などの鉄屑があれば各団から貰い受けたいと思っています」
「ほぉ? 金は要らんのか?」
「はい、現在は特に… 今期は予算内でやっていけるかと思います。来期は増額をお願いするかも知れませんが…」
総騎士団長は面白そうに私を見るだけで、それ以上は突っ込んでこなかった。突っ込んで来たのは後ろのオカッパ男性だった。
「今期と言いましたか? まだ半年も残っていますよ? それに着任したばかりですよね? あぁ、ドーンが指揮を?」
オカッパはドーン副団長を見てなるほどと納得している。
「そうですね… この一週間で大まかですが第七の出納などをドーンと共に洗い直しました。その上で、金子より人員を確保したいと思いまして」
「はぁ? あなたは第七の詳細を把握していると?」
「はい、これでも団長なので。必死で勉強しました。おっしゃる通りドーンの助力があっての事ですが」
オカッパは口を開けたまま驚きはしたが、すぐに真面目な顔に戻って咳払いをする。
「それに鉄屑?」
「はい、各団で使い潰した剣など、不要な物があればいただきたいです」
今までそんな要望は無かったのかな? オカッパはちょっと不思議な顔をしている。
「わかりました。会議後に詳細を伺います。第七は残って下さい」
「了解しました」
私はオカッパに返事をすると、次の議題に移った。
そのあとは淡々と会議は進み、今後の国の予定などが説明されて終わった。
会議が終わると総騎士団長と副団長は足早に去って行き、第一騎士団の残りの三人が残って、各団長と個別に話をしていた。
「ねぇ、副団長… いえ、もうドーンと呼ぶわね。ココだと副団長呼びはややこしいから。私はこのまま待っていれば良い?」
「はい、先程の方は総騎士団の総務担当の方ですよ。スバル殿です」
へぇ~、あのオカッパはスバル様か。前世の名前と馴染みがあるなぁ。こっちにこんな名前もあるんだね。
と、少しほっこりしていたら、スバル様がやって来た。
「ドーン殿、お久しぶりです。第七はいかがですか?」
私を通り越して、元同僚同士話しを始める。
おい! 頭の上で話しをするなよ~! そりゃ~チビだけどさ。
「いきなりご挨拶ですな、スバル殿。とても有意義のある団ですよ。ご心配には及びません」
「そうですか… 陛下も何を考えていらっしゃるのやら。壊滅的な第七をどうにかされたいのでしょうが、ドーン殿はともかく… ご負担が尋常では無いでしょうに…」
「いやいや、私は団長の手助けをしているだけですよ。負担も何も。今は毎日が楽しいですな」
「へ?」
ようやくスバル様が私を見る。
「どうも、団長のラモンです。要望の詳細についてお話ししてもよろしいでしょうか?」
「…」
スバル様は値踏みをするかのように上から下まで私を観察している。反応が無いので私はそのまま進めた。
「は~、ではこのままで失礼しますね。この資料をご査収下さい。詳細は書いていありますので。質問があれば第七までお願い致します。で、早急に返答が頂きたいのですが、いつ頃になりますか?」
バサッと資料をスバル様に渡す。
やっと正気に戻ったスバル様がパラパラと資料をめくった。
「… そうですね。明後日には。午後にそちらへ伺います」
と、またしてもドーンに返事をしている。イラつくな。
「ドーン、問題ない?」
私は団長らしくわざわざドーンに確認した。
「はい。では、三時以降にお願いしてもよろしいですかな?」
「え? はい、三時に…」
私がドーンと言った事が不思議だったのか、ドーンの私への態度にびっくりしたのか、一瞬の間を置いて返答をしてくれた。
「よかった。では」
と、回れ右して第七へ急いで帰るぞ! こんな所、一秒でも早く抜け出したい。
「や~ん、ラモン、もう帰るの? ちょっとウチに寄ってらっしゃい?」
…
ほら。
やっぱり。捕まったじゃん。ドーンを見るとニコニコと頷いている。
て事は、行けって事だよね。う”~とドーンを見る。
「お付き合いも大事な仕事の内です」
との事。
はいはい、行きますよ。
何気にオネエな団長って底が知れないというかちょっと怖いんだよね。
「お誘いありがとうございます。ユーグさん、少しだけお邪魔します」
「あはっ! 少しだなんて~。美味しいスイーツが手に入ったのよ~。ゆっくりして行って」
「あはははは、は~あ」
私はドナドナ状態でユーグさんに連れて行かれる。がっしり腕をホールドされた。
会議室の出口では第六騎士団長が私を睨んでいた。
ユーグさんが居てくれたお陰で変に絡まれなくて済んだけど… は~、この人も厄介だな。
初日でユーグさん、第六騎士団長、スバルさん…
濃い。濃いよ。
「ぷぷっ」
と、どこからか含み笑いが聞こえた。
ははは、二度目となると慣れたもんですよ。そうです、門番のモンバーンですよ~だ! ふん。
絶対、今度からどんな場面でもフルネームは言わないようにしよう。うん、そうしよう。
総団長はそんな些細な事は無視して続ける。
「これより再編成に伴う、各団からの要望を聞き受ける。順次報告せよ」
第二騎士団から現状報告と今後の要望を言って行く。
どの団も予算増加がメインになっているようだ。
私の番が来た。
「第七は騎士団員の増加と不要な武器などの鉄屑があれば各団から貰い受けたいと思っています」
「ほぉ? 金は要らんのか?」
「はい、現在は特に… 今期は予算内でやっていけるかと思います。来期は増額をお願いするかも知れませんが…」
総騎士団長は面白そうに私を見るだけで、それ以上は突っ込んでこなかった。突っ込んで来たのは後ろのオカッパ男性だった。
「今期と言いましたか? まだ半年も残っていますよ? それに着任したばかりですよね? あぁ、ドーンが指揮を?」
オカッパはドーン副団長を見てなるほどと納得している。
「そうですね… この一週間で大まかですが第七の出納などをドーンと共に洗い直しました。その上で、金子より人員を確保したいと思いまして」
「はぁ? あなたは第七の詳細を把握していると?」
「はい、これでも団長なので。必死で勉強しました。おっしゃる通りドーンの助力があっての事ですが」
オカッパは口を開けたまま驚きはしたが、すぐに真面目な顔に戻って咳払いをする。
「それに鉄屑?」
「はい、各団で使い潰した剣など、不要な物があればいただきたいです」
今までそんな要望は無かったのかな? オカッパはちょっと不思議な顔をしている。
「わかりました。会議後に詳細を伺います。第七は残って下さい」
「了解しました」
私はオカッパに返事をすると、次の議題に移った。
そのあとは淡々と会議は進み、今後の国の予定などが説明されて終わった。
会議が終わると総騎士団長と副団長は足早に去って行き、第一騎士団の残りの三人が残って、各団長と個別に話をしていた。
「ねぇ、副団長… いえ、もうドーンと呼ぶわね。ココだと副団長呼びはややこしいから。私はこのまま待っていれば良い?」
「はい、先程の方は総騎士団の総務担当の方ですよ。スバル殿です」
へぇ~、あのオカッパはスバル様か。前世の名前と馴染みがあるなぁ。こっちにこんな名前もあるんだね。
と、少しほっこりしていたら、スバル様がやって来た。
「ドーン殿、お久しぶりです。第七はいかがですか?」
私を通り越して、元同僚同士話しを始める。
おい! 頭の上で話しをするなよ~! そりゃ~チビだけどさ。
「いきなりご挨拶ですな、スバル殿。とても有意義のある団ですよ。ご心配には及びません」
「そうですか… 陛下も何を考えていらっしゃるのやら。壊滅的な第七をどうにかされたいのでしょうが、ドーン殿はともかく… ご負担が尋常では無いでしょうに…」
「いやいや、私は団長の手助けをしているだけですよ。負担も何も。今は毎日が楽しいですな」
「へ?」
ようやくスバル様が私を見る。
「どうも、団長のラモンです。要望の詳細についてお話ししてもよろしいでしょうか?」
「…」
スバル様は値踏みをするかのように上から下まで私を観察している。反応が無いので私はそのまま進めた。
「は~、ではこのままで失礼しますね。この資料をご査収下さい。詳細は書いていありますので。質問があれば第七までお願い致します。で、早急に返答が頂きたいのですが、いつ頃になりますか?」
バサッと資料をスバル様に渡す。
やっと正気に戻ったスバル様がパラパラと資料をめくった。
「… そうですね。明後日には。午後にそちらへ伺います」
と、またしてもドーンに返事をしている。イラつくな。
「ドーン、問題ない?」
私は団長らしくわざわざドーンに確認した。
「はい。では、三時以降にお願いしてもよろしいですかな?」
「え? はい、三時に…」
私がドーンと言った事が不思議だったのか、ドーンの私への態度にびっくりしたのか、一瞬の間を置いて返答をしてくれた。
「よかった。では」
と、回れ右して第七へ急いで帰るぞ! こんな所、一秒でも早く抜け出したい。
「や~ん、ラモン、もう帰るの? ちょっとウチに寄ってらっしゃい?」
…
ほら。
やっぱり。捕まったじゃん。ドーンを見るとニコニコと頷いている。
て事は、行けって事だよね。う”~とドーンを見る。
「お付き合いも大事な仕事の内です」
との事。
はいはい、行きますよ。
何気にオネエな団長って底が知れないというかちょっと怖いんだよね。
「お誘いありがとうございます。ユーグさん、少しだけお邪魔します」
「あはっ! 少しだなんて~。美味しいスイーツが手に入ったのよ~。ゆっくりして行って」
「あはははは、は~あ」
私はドナドナ状態でユーグさんに連れて行かれる。がっしり腕をホールドされた。
会議室の出口では第六騎士団長が私を睨んでいた。
ユーグさんが居てくれたお陰で変に絡まれなくて済んだけど… は~、この人も厄介だな。
初日でユーグさん、第六騎士団長、スバルさん…
濃い。濃いよ。