「というわけで、売り言葉に買い言葉でいくつかのクエストに挑戦することになってしまいました。勝手に決めてしまって申し訳ない」
宿に帰ってアイセル&サクラと合流した俺とシャーリーは、まずはそのことを2人に謝罪した。
実際にやりあったのは全部シャーリーなんだけど、見てた俺にも責任の一端はあるわけで。
「そんな、全然構いませんので。頑張って攻略しましょう」
「そうよ、シャーリーのお父さんをギャフンと言わせてやりましょ!」
だけどアイセルとサクラはそれを快く引き受けてくれた。
ううっ、いい子たちだよなほんと。
「それでどれから攻略にかかるんですか?」
「まずはここから一番近いところに出るっていう、レッサードラゴンの群れの討伐クエストをやろうと思ってる」
「ドラゴンの群れですか!?」
それを聞いたアイセルが驚いた声をあげた。
「ああいや、ドラゴンはドラゴンでもレッサードラゴンな」
「なにが違うのケイスケ?」
「レッサードラゴンってのは名前こそドラゴンってついてるけど、正確な分類ではドラゴンじゃないんだ。通称はオオトカゲって言われてる」
「オオトカゲ……つまり大きなトカゲですか?」
「そういうこと。小型のドラゴンと見間違えるようなよく似た姿をしてるんだけど、でもドラゴンほどは強くない魔獣なんだよ。単体Aランク、群れだとA+ランクだ」
「そうなんですね、勉強になります」
「びっくりさせないでよね、まったく」
「最新の研究だとドラゴンの姿に似てるのは、外敵から身を守るために進化したからだって言われてるみたいだな」
「確かに最強種であるドラゴンに似ていれば、敵に襲われる確率は大きく減りそうです」
「ドラゴンにケンカ売るなんてバカがすることだもんね」
人間にしてもドラゴンが暴れた時に仕方なく対処するくらいで、種族として群を抜いて強すぎるドラゴンには積極的に関与しないのが基本方針だ。
「そういうわけでオオトカゲはブレスもないし空も飛ばない、そもそも翼が生えてない。唯一厄介なのは、単独行動する本物のドラゴンと違って大掛かりな群れを作ることくらいなんだよ」
「ちなみに今回の群れはどれくらいの規模なんでしょうか?」
「資料によると200体近いらしい」
「200……!」
「ええっ、さすがにそれは無理でしょ」
アイセルとサクラの反応はもっともだった。
普通なら『アルケイン』のような少人数人パーティで対処できるような数じゃないからな。
どう考えてもシャーリーのお父さんは、俺たちが攻略できない前提のクエストを用意してたっぽい。
かつては歴戦の猛勇と名を馳せ、今は冒険者ギルド本部のギルドマスターだっていうのに、やることがセコすぎるよお父さん……。
だけど今の『アルケイン』にはシャーリーがいるんだ。
「そこでアタシの出番ってわけね」
シャーリーが自信に満ちた笑みを浮かべた。
「シャーリーは今は失われた魔法を復活させた世界で唯一の『魔法使い』。範囲攻撃魔法を使う『極光の殲滅姫』って呼ばれるほどだからな、そこは安心してくれ」
「でもでも、いくらシャーリーがすごくってもドラゴンもどきが200体もいたらさすがに厳しくない?」
「それは実際に見てのお楽しみだ。これに関しては言葉で説明するよりも見たほうが100倍早い。シャーリーの範囲攻撃魔法はマジでビックリするから楽しみにしておけよ?」
ってなわけで。
俺たちパーティ『アルケイン』は、シャーリーの魔法をアイセルとサクラに見せる目的も兼ねて、まずはレッサードラゴン討伐クエストに挑むことにした。
まずは俺が事前に添付資料を読み込んで、出現予想地点と最も有利な攻撃ポイントを割り出して。
さらに馬車で2日ほどかけてそこに移動し、待ち伏せ作戦を行うのだ。
宿に帰ってアイセル&サクラと合流した俺とシャーリーは、まずはそのことを2人に謝罪した。
実際にやりあったのは全部シャーリーなんだけど、見てた俺にも責任の一端はあるわけで。
「そんな、全然構いませんので。頑張って攻略しましょう」
「そうよ、シャーリーのお父さんをギャフンと言わせてやりましょ!」
だけどアイセルとサクラはそれを快く引き受けてくれた。
ううっ、いい子たちだよなほんと。
「それでどれから攻略にかかるんですか?」
「まずはここから一番近いところに出るっていう、レッサードラゴンの群れの討伐クエストをやろうと思ってる」
「ドラゴンの群れですか!?」
それを聞いたアイセルが驚いた声をあげた。
「ああいや、ドラゴンはドラゴンでもレッサードラゴンな」
「なにが違うのケイスケ?」
「レッサードラゴンってのは名前こそドラゴンってついてるけど、正確な分類ではドラゴンじゃないんだ。通称はオオトカゲって言われてる」
「オオトカゲ……つまり大きなトカゲですか?」
「そういうこと。小型のドラゴンと見間違えるようなよく似た姿をしてるんだけど、でもドラゴンほどは強くない魔獣なんだよ。単体Aランク、群れだとA+ランクだ」
「そうなんですね、勉強になります」
「びっくりさせないでよね、まったく」
「最新の研究だとドラゴンの姿に似てるのは、外敵から身を守るために進化したからだって言われてるみたいだな」
「確かに最強種であるドラゴンに似ていれば、敵に襲われる確率は大きく減りそうです」
「ドラゴンにケンカ売るなんてバカがすることだもんね」
人間にしてもドラゴンが暴れた時に仕方なく対処するくらいで、種族として群を抜いて強すぎるドラゴンには積極的に関与しないのが基本方針だ。
「そういうわけでオオトカゲはブレスもないし空も飛ばない、そもそも翼が生えてない。唯一厄介なのは、単独行動する本物のドラゴンと違って大掛かりな群れを作ることくらいなんだよ」
「ちなみに今回の群れはどれくらいの規模なんでしょうか?」
「資料によると200体近いらしい」
「200……!」
「ええっ、さすがにそれは無理でしょ」
アイセルとサクラの反応はもっともだった。
普通なら『アルケイン』のような少人数人パーティで対処できるような数じゃないからな。
どう考えてもシャーリーのお父さんは、俺たちが攻略できない前提のクエストを用意してたっぽい。
かつては歴戦の猛勇と名を馳せ、今は冒険者ギルド本部のギルドマスターだっていうのに、やることがセコすぎるよお父さん……。
だけど今の『アルケイン』にはシャーリーがいるんだ。
「そこでアタシの出番ってわけね」
シャーリーが自信に満ちた笑みを浮かべた。
「シャーリーは今は失われた魔法を復活させた世界で唯一の『魔法使い』。範囲攻撃魔法を使う『極光の殲滅姫』って呼ばれるほどだからな、そこは安心してくれ」
「でもでも、いくらシャーリーがすごくってもドラゴンもどきが200体もいたらさすがに厳しくない?」
「それは実際に見てのお楽しみだ。これに関しては言葉で説明するよりも見たほうが100倍早い。シャーリーの範囲攻撃魔法はマジでビックリするから楽しみにしておけよ?」
ってなわけで。
俺たちパーティ『アルケイン』は、シャーリーの魔法をアイセルとサクラに見せる目的も兼ねて、まずはレッサードラゴン討伐クエストに挑むことにした。
まずは俺が事前に添付資料を読み込んで、出現予想地点と最も有利な攻撃ポイントを割り出して。
さらに馬車で2日ほどかけてそこに移動し、待ち伏せ作戦を行うのだ。