そんな俺のつぶやきが聞こえたのか。
「ふんがーーーー！！！！」
雄たけびとともに、怒りの精霊【フラストレ】の力を暴走限界ギリギリのギリギリまで引き出したサクラが、レインボードラゴンに激しく突っかかっていった。
そして気合一閃！
バトルアックスの渾身の一撃がレインボードラゴンの腹に豪快にぶち当たる。
ドゴォォォンッッ！！
古代遺跡内に、隕石でも落ちたのかってくらいのものすごい衝撃音が鳴り響く。
そして信じられないことに、２階建ての家ほどもあるレインボードラゴンの巨体が一瞬ふわっと浮き上がったのだ。
その決定的なチャンスに、アイセルは既に神速の踏み込みでもって懐へと飛びこんでいた！
「全力集中！」
既に『納刀』しているアイセルの身体から猛烈なオーラが立ち昇っていく――！
「剣気解放――！ 『《紫電一閃》』――！」
鞘の中で圧縮した膨大な剣気を抜刀と共に解き放つ、アイセルの究極スキルが解き放たれた――！
キィィィンンーーーーーーッッ！！
飛び上がるように下から上へと振り抜かれたアイセルの魔法剣が、レインボードラゴンの鱗を鋭く切り裂き、刃に込められた剣気が身体の中を激しく蹂躙する。
「ＵＲＹＹＹＹＹＹＹＹＹＹＹＹＹＹＹＹＹ――――ッッッ！！！！」
身体の奥の奥まで鋭く斬り裂かれたレインボードラゴンが、この世のものとは思えない断末魔の悲鳴を上げた。
それでも最後の抵抗なのか。
レインボードラゴンは巨大な牙がそろう顎で、技を撃ちきって空中にいるアイセルに喰らいつこうとして――、
「させるもんか！ うぉりゃぁぁぁ！」
サクラの投げたバトルアックスが顔面に直撃すると、そのままのけぞるように崩れ落ちて動かなくなった。
華麗に着地したアイセルに、サクラが笑顔で駆け寄っていく。
パーティ『アルケイン』の完全勝利だった。
「まさか、本当にＳＳクラスのレインボードラゴンに勝っちゃうなんて――」
「言っただろ、パーティ『アルケイン』は最強で最高だってな」
「ほんとね……うん、認めるわ」
「勇者アルドリッジ。見ての通りだ。俺たちはクエストを完了した、今度はお前らが依頼の対価を払う番だ。これは契約だ、忘れるなよ」
「もちろんだとも、冒険の神ミトラに誓おう」
アンジュと勇者とそんな会話をしていると――、
「ケースケ様、やりました！」
「どうよどうよ！」
アイセルとサクラが俺たちの元に戻ってきた。
「２人ともよくやったな、えらいぞ」
「えへへ、ケースケ様に褒められちゃいました」
アイセルが嬉しそうに笑う。
あまりに嬉しそうだったのでなんとなく頭をなでなでしてあげると、
「えへへへへ……」
アイセルはさらに嬉しそうに目を細めた。
そんないい感じの空気に、サクラが空気を読まずに割り込んでくる。
「ケイスケだって、ドラゴンのブレスを全部無効化するなんてやるじゃない。使えないバッファーなのに正直見直したわ」
「お前は本当に正直だな……」
「だってケイスケは正直な方が好きでしょ？」
「まったくお前ってやつは……ほんと空気が読めてないようで実は読めてる子なんだよなぁ……」
俺が素直なサクラにちょっとだけ感謝をしていると、
「まぁ誰に対しても私はこうなんだけどね！」
サクラは極上の笑顔で言った。
「人が素直に感心してるんだからほんと空気読めよな……？」
とまぁそんな感じで、俺たちは勝利を喜びあったのだった。
そして俺はとある変化に気が付いていた。
「レベルが上がってる。１２１になった」
アイセルやサクラとパーティを組んで、経験値のおこぼれを貰い続けていながら全く動かなかった俺のレベルが。
ＳＳクラスのレインボードラゴンという超強敵を討伐したことで、ついに上がったのだ。
「やりましたねケースケ様！」
「良かったじゃんケイスケ」
「ああ、２人のおかげだよ、ありがとな」
「勝てたのは何よりもケースケ様のバフがあったおかげですよ」
「そうそう、今回に限ってはケイスケも胸を張って誇っていいんだからね！」
もちろん俺はバッファーだ。
ここで新たにスキルを覚えたりなんかはしない。
最底辺の不遇職という看板は伊達ではない。
それでも俺は今回の一件で、色んな意味で大きな一歩を踏み出せた――そんな気がしていたのだった。
【ケースケ（バッファー） レベル１２０→１２１】
・スキル
Ｓ級スキル『天使の加護――エンジェリック・レイヤー』
【アイセル（魔法戦士） レベル４２→４７】
・スキル
『光学迷彩』レベル２８
『気配遮断』レベル２８
『索敵』レベル３５
『気配察知』レベル４２
『追跡』レベル７
『暗視』レベル２１
『鍵開け』レベル７
『自動回復』レベル２８
『気絶回帰』レベル２８
『状態異常耐性』レベル２８
『徹夜耐性』レベル２８
『耐熱』レベル２８
『耐寒』レベル２８
『平常心』レベル３５
『疲労軽減』レベル４２
『筋力強化』レベル４２
『体力強化』レベル４２
『武器強化』レベル４２
『防具強化』レベル４２
『居合』レベル４２
『縮地』レベル４２
『連撃』レベル４２
『乱打』レベル４２
『武器投擲』レベル４２
『連撃乱舞』レベル４２
『岩斬り』レベル４２
『真剣白刃取り』レベル４２
『打撃格闘』レベル４２
『当身』レベル４２
『関節技』レベル４２
『受け流し』レベル４２
『防御障壁』レベル２８
『クイックステップ』レベル４２
『空中ステップ』レベル４２
『視線誘導』レベル３５
『威圧』レベル３５
『集中』レベル４２
『見切り』レベル４２
『直感』レベル４２
『心眼』レベル４２
『弱点看破』レベル２８
『武器破壊』レベル２８
『ツボ押し』レベル４２
『質量のある残像』レベル２８
『火事場の馬鹿力』レベル２８
『潜水』レベル２１
『《紫電一閃》』レベル４２（『会心の一撃』から進化）
『剣気帯刃・オーラブレード』レベル１
【サクラ（バーサーカー） レベル２８→３７】
・スキル
『狂乱』レベル--
『自己再生』レベル--
『疲労軽減』レベル--
『筋力強化』レベル--
『体力強化』レベル--
『会心の一撃』レベル--
（注：バーサーカーの戦闘スキルは全て怒りの精霊『フラストレ』の力を借りるため、通常のスキルレベルとは完全に切り離されています）
「ふんがーーーー！！！！」
雄たけびとともに、怒りの精霊【フラストレ】の力を暴走限界ギリギリのギリギリまで引き出したサクラが、レインボードラゴンに激しく突っかかっていった。
そして気合一閃！
バトルアックスの渾身の一撃がレインボードラゴンの腹に豪快にぶち当たる。
ドゴォォォンッッ！！
古代遺跡内に、隕石でも落ちたのかってくらいのものすごい衝撃音が鳴り響く。
そして信じられないことに、２階建ての家ほどもあるレインボードラゴンの巨体が一瞬ふわっと浮き上がったのだ。
その決定的なチャンスに、アイセルは既に神速の踏み込みでもって懐へと飛びこんでいた！
「全力集中！」
既に『納刀』しているアイセルの身体から猛烈なオーラが立ち昇っていく――！
「剣気解放――！ 『《紫電一閃》』――！」
鞘の中で圧縮した膨大な剣気を抜刀と共に解き放つ、アイセルの究極スキルが解き放たれた――！
キィィィンンーーーーーーッッ！！
飛び上がるように下から上へと振り抜かれたアイセルの魔法剣が、レインボードラゴンの鱗を鋭く切り裂き、刃に込められた剣気が身体の中を激しく蹂躙する。
「ＵＲＹＹＹＹＹＹＹＹＹＹＹＹＹＹＹＹＹ――――ッッッ！！！！」
身体の奥の奥まで鋭く斬り裂かれたレインボードラゴンが、この世のものとは思えない断末魔の悲鳴を上げた。
それでも最後の抵抗なのか。
レインボードラゴンは巨大な牙がそろう顎で、技を撃ちきって空中にいるアイセルに喰らいつこうとして――、
「させるもんか！ うぉりゃぁぁぁ！」
サクラの投げたバトルアックスが顔面に直撃すると、そのままのけぞるように崩れ落ちて動かなくなった。
華麗に着地したアイセルに、サクラが笑顔で駆け寄っていく。
パーティ『アルケイン』の完全勝利だった。
「まさか、本当にＳＳクラスのレインボードラゴンに勝っちゃうなんて――」
「言っただろ、パーティ『アルケイン』は最強で最高だってな」
「ほんとね……うん、認めるわ」
「勇者アルドリッジ。見ての通りだ。俺たちはクエストを完了した、今度はお前らが依頼の対価を払う番だ。これは契約だ、忘れるなよ」
「もちろんだとも、冒険の神ミトラに誓おう」
アンジュと勇者とそんな会話をしていると――、
「ケースケ様、やりました！」
「どうよどうよ！」
アイセルとサクラが俺たちの元に戻ってきた。
「２人ともよくやったな、えらいぞ」
「えへへ、ケースケ様に褒められちゃいました」
アイセルが嬉しそうに笑う。
あまりに嬉しそうだったのでなんとなく頭をなでなでしてあげると、
「えへへへへ……」
アイセルはさらに嬉しそうに目を細めた。
そんないい感じの空気に、サクラが空気を読まずに割り込んでくる。
「ケイスケだって、ドラゴンのブレスを全部無効化するなんてやるじゃない。使えないバッファーなのに正直見直したわ」
「お前は本当に正直だな……」
「だってケイスケは正直な方が好きでしょ？」
「まったくお前ってやつは……ほんと空気が読めてないようで実は読めてる子なんだよなぁ……」
俺が素直なサクラにちょっとだけ感謝をしていると、
「まぁ誰に対しても私はこうなんだけどね！」
サクラは極上の笑顔で言った。
「人が素直に感心してるんだからほんと空気読めよな……？」
とまぁそんな感じで、俺たちは勝利を喜びあったのだった。
そして俺はとある変化に気が付いていた。
「レベルが上がってる。１２１になった」
アイセルやサクラとパーティを組んで、経験値のおこぼれを貰い続けていながら全く動かなかった俺のレベルが。
ＳＳクラスのレインボードラゴンという超強敵を討伐したことで、ついに上がったのだ。
「やりましたねケースケ様！」
「良かったじゃんケイスケ」
「ああ、２人のおかげだよ、ありがとな」
「勝てたのは何よりもケースケ様のバフがあったおかげですよ」
「そうそう、今回に限ってはケイスケも胸を張って誇っていいんだからね！」
もちろん俺はバッファーだ。
ここで新たにスキルを覚えたりなんかはしない。
最底辺の不遇職という看板は伊達ではない。
それでも俺は今回の一件で、色んな意味で大きな一歩を踏み出せた――そんな気がしていたのだった。
【ケースケ（バッファー） レベル１２０→１２１】
・スキル
Ｓ級スキル『天使の加護――エンジェリック・レイヤー』
【アイセル（魔法戦士） レベル４２→４７】
・スキル
『光学迷彩』レベル２８
『気配遮断』レベル２８
『索敵』レベル３５
『気配察知』レベル４２
『追跡』レベル７
『暗視』レベル２１
『鍵開け』レベル７
『自動回復』レベル２８
『気絶回帰』レベル２８
『状態異常耐性』レベル２８
『徹夜耐性』レベル２８
『耐熱』レベル２８
『耐寒』レベル２８
『平常心』レベル３５
『疲労軽減』レベル４２
『筋力強化』レベル４２
『体力強化』レベル４２
『武器強化』レベル４２
『防具強化』レベル４２
『居合』レベル４２
『縮地』レベル４２
『連撃』レベル４２
『乱打』レベル４２
『武器投擲』レベル４２
『連撃乱舞』レベル４２
『岩斬り』レベル４２
『真剣白刃取り』レベル４２
『打撃格闘』レベル４２
『当身』レベル４２
『関節技』レベル４２
『受け流し』レベル４２
『防御障壁』レベル２８
『クイックステップ』レベル４２
『空中ステップ』レベル４２
『視線誘導』レベル３５
『威圧』レベル３５
『集中』レベル４２
『見切り』レベル４２
『直感』レベル４２
『心眼』レベル４２
『弱点看破』レベル２８
『武器破壊』レベル２８
『ツボ押し』レベル４２
『質量のある残像』レベル２８
『火事場の馬鹿力』レベル２８
『潜水』レベル２１
『《紫電一閃》』レベル４２（『会心の一撃』から進化）
『剣気帯刃・オーラブレード』レベル１
【サクラ（バーサーカー） レベル２８→３７】
・スキル
『狂乱』レベル--
『自己再生』レベル--
『疲労軽減』レベル--
『筋力強化』レベル--
『体力強化』レベル--
『会心の一撃』レベル--
（注：バーサーカーの戦闘スキルは全て怒りの精霊『フラストレ』の力を借りるため、通常のスキルレベルとは完全に切り離されています）
