再びユウトは、地下路に飛び込んだ。
『強欲』に接近するほど時間操作の魔法がユウトを襲う。
しかし――――
「なるほど、これなら問題はなさそうだ」
ユウトの魔法――――魔導書の効果は肉体強化。
(意識を集中させると確かにわかる。俺の肉体に干渉しようする魔法、時間操作の効果)
地上に残ったメリスからの支援魔法を受けて、彼の肉体強化の効果を上げている。同じ操作系であるレインも(嫌々ながら)支援の協力をしている。
インファンは不参加。 彼は壁の寄りかかり、瞳を閉じている。
休んでいるようにも、力を温存しているように見える。
きっと、ユウトが作戦に失敗すると同時に、周辺ごと『強欲』に攻撃を開始するつもりなのだろう。
この作戦に時間制限はある。
インファンが痺れを切らしたタイミング……それもあるが、ユウトの肉体強化も効果が無限ではない。
いずれ、時間操作の効果が貫通してくるだろう。
(それよりも早く『強欲』の元に駆け抜ける)
その思い通り、ユウトは自身を加速される。しかし――――
「やっぱり、防御システムは時間操作の通路だけじゃないのか」
目前に見えた人影。それはゴーレムだった。
「通常の魔物なら時間経過に耐えれないからな。自然にガーディアンはゴーレムになるわけか」
ユウトは足を止めて杖を構える。 ゴーレムという魔物は強い。
無機物……岩などでできた体。指一本の重さだけでも持ちあげれる人間は少ない。
つまり、拳の重さで人を潰せる攻撃力。
さらに岩の肉体は堅固。だからこそ、ゴーレムの弱点――――どこかに刻まれた魔法の命令を破壊しなければ動き続ける。
無敵の魔物とされていた。
もっとも――――
おっと、ゴーレムの拳が振るわれた。それをユウトは避けると同時に魔法の反撃。
『炎剣』
忘れていけない。彼は孤高特化型魔法使いなのだ。
攻撃を防御あるいは回避して、カウンターには強烈な魔法を放つ。
対ゴーレム戦闘に彼のスタイルは相性がよい。
「よし、撃破」とあっさり、ゴーレムを倒して先に進もうとする。
しかし、異変を感じた。
「俺の体を覆っている強化系魔法に変化が……いや、周辺の時間を巻き戻して………」
それ以上、ユウトは言えなかった。
時間が巻き戻ったのは撃破されたゴーレム。完全復活した体で攻撃を再開してきた。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「火力でごり押しても、時間操作で復活するゴーレムか……それじゃ、基本に戻るか」
ユウトは攻撃を掻い潜りながら、移動する。
狙いはゴーレムの弱点。どこかに刻まれた魔法の文字。
ゴーレムを作った者は、それを巧妙に隠しているつもりなのだろうが、どうしても見える正面より背中に隠したがる。
背中の見えにくい場所……首筋の隙間。あるいは内股のような股座部分。
(性格の悪い奴は、足裏や手のひらに隠してたりもするが……今回は性格が良いパターンだったな)
今回は首の隙間。ゴーレムが首を上下する事で僅かに見える魔法文字。
そこを狙ってゴーレムの体を駆け登ったユウトは――――
『炎剣』
今度は炎の魔剣と化したそれを降るって、魔法文字を削り取った。
「やったか!?」
今度は勝利を確信したユウトだったが……
「こ、これでもダメか。まだ再生を始めてる」
ゴーレムは再生を開始する。
「もう面倒になってきたな」とユウトはゴーレムが再起動するよりも早く詠唱を始めた。
「詠唱 凍てつく極寒の風よ 静かに我の敵を閉ざせ――――冬嵐」
『強欲』に接近するほど時間操作の魔法がユウトを襲う。
しかし――――
「なるほど、これなら問題はなさそうだ」
ユウトの魔法――――魔導書の効果は肉体強化。
(意識を集中させると確かにわかる。俺の肉体に干渉しようする魔法、時間操作の効果)
地上に残ったメリスからの支援魔法を受けて、彼の肉体強化の効果を上げている。同じ操作系であるレインも(嫌々ながら)支援の協力をしている。
インファンは不参加。 彼は壁の寄りかかり、瞳を閉じている。
休んでいるようにも、力を温存しているように見える。
きっと、ユウトが作戦に失敗すると同時に、周辺ごと『強欲』に攻撃を開始するつもりなのだろう。
この作戦に時間制限はある。
インファンが痺れを切らしたタイミング……それもあるが、ユウトの肉体強化も効果が無限ではない。
いずれ、時間操作の効果が貫通してくるだろう。
(それよりも早く『強欲』の元に駆け抜ける)
その思い通り、ユウトは自身を加速される。しかし――――
「やっぱり、防御システムは時間操作の通路だけじゃないのか」
目前に見えた人影。それはゴーレムだった。
「通常の魔物なら時間経過に耐えれないからな。自然にガーディアンはゴーレムになるわけか」
ユウトは足を止めて杖を構える。 ゴーレムという魔物は強い。
無機物……岩などでできた体。指一本の重さだけでも持ちあげれる人間は少ない。
つまり、拳の重さで人を潰せる攻撃力。
さらに岩の肉体は堅固。だからこそ、ゴーレムの弱点――――どこかに刻まれた魔法の命令を破壊しなければ動き続ける。
無敵の魔物とされていた。
もっとも――――
おっと、ゴーレムの拳が振るわれた。それをユウトは避けると同時に魔法の反撃。
『炎剣』
忘れていけない。彼は孤高特化型魔法使いなのだ。
攻撃を防御あるいは回避して、カウンターには強烈な魔法を放つ。
対ゴーレム戦闘に彼のスタイルは相性がよい。
「よし、撃破」とあっさり、ゴーレムを倒して先に進もうとする。
しかし、異変を感じた。
「俺の体を覆っている強化系魔法に変化が……いや、周辺の時間を巻き戻して………」
それ以上、ユウトは言えなかった。
時間が巻き戻ったのは撃破されたゴーレム。完全復活した体で攻撃を再開してきた。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「火力でごり押しても、時間操作で復活するゴーレムか……それじゃ、基本に戻るか」
ユウトは攻撃を掻い潜りながら、移動する。
狙いはゴーレムの弱点。どこかに刻まれた魔法の文字。
ゴーレムを作った者は、それを巧妙に隠しているつもりなのだろうが、どうしても見える正面より背中に隠したがる。
背中の見えにくい場所……首筋の隙間。あるいは内股のような股座部分。
(性格の悪い奴は、足裏や手のひらに隠してたりもするが……今回は性格が良いパターンだったな)
今回は首の隙間。ゴーレムが首を上下する事で僅かに見える魔法文字。
そこを狙ってゴーレムの体を駆け登ったユウトは――――
『炎剣』
今度は炎の魔剣と化したそれを降るって、魔法文字を削り取った。
「やったか!?」
今度は勝利を確信したユウトだったが……
「こ、これでもダメか。まだ再生を始めてる」
ゴーレムは再生を開始する。
「もう面倒になってきたな」とユウトはゴーレムが再起動するよりも早く詠唱を始めた。
「詠唱 凍てつく極寒の風よ 静かに我の敵を閉ざせ――――冬嵐」