「あわわっ、イルちゃん、もうそこのしいたけさんが焼けてますよ!」
「は~いですの~♪ ばーべっきゅ~♪ 楽しいで~すのっ♪ きのこっきのこっ♪ お肉っお肉っ♪」
イルは歌いながら両手に持ったフォークでしいたけと、お肉を取った。
昔、剣道道場前の庭で、俺や茜ちゃん、近所の友達も集まってやっていた事を思い出し、バーベキューをしている。
焼肉のタレはないけど塩だけで、しいたけはもちろんオークリーダーも滅茶苦茶美味しい。
途中で、胡椒があったことを思い出し、魔法の麻袋から出して使っているが、さらに美味さ倍増です。
イルも歌っちゃうくらいご機嫌で、茜ちゃんは焼肉を焼いて大忙しだけど楽しそうだ。
それから野菜も、閉じ込められたままなら慎重に食べたんだけど、外に出て、自由になったってことで、色々出してみた。
ナスやピーマン、しいたけなんかもあったの出だしたんだけど、空になったはずの魔法の麻袋が、少し置いておいたらこんもりと膨らんでいるのに今気が付いた。
「ねえ茜ちゃん、しいたけとか出した魔法の麻袋さ……膨らんでない?」
触手を伸ばして魔法の麻袋を指してみる。
「え? 全部出して焼いちゃった……あれ? 何か入ってますね?」
茜ちゃんの座っている、ストーンウォールの小さい版ベンチに置いた袋へ手を乗せた……でもペタンコにならない。
やはり見間違いではないようだ。
「ふぐふぐ、んくん。しいたけさんも美味しいのです。ん? どうしたのです?」
俺達がゴソゴソとやっていたからイルが口いっぱいに頬張っていたしいたけを飲み込んで、こてっと首を傾げながら聞いてきた。
「うそんっ! しいたけさんですよ! また入っています! こっちはピーマンにナスも元にもどってますよ!」
「マジか! イル、美味しいしいたけ食べ放題だ!」
「おお! 凄いですの! でもナスさんもトロトロで美味しいですの!」
イルは大喜びで、肉の刺さったフォークと、今取ったナスの刺さったフォークを精一杯上にかかげ、万歳状態で、クネクネとしてる。
か、可愛い。
そんなイルを横目で見ながら、次々と魔法の麻袋を開けて中身を確かめている茜ちゃんに、俺にも見えるように袋の口をこっちに向けてもらうと本当に中身が入っている。
『あはは♪ や~っと気が付いたのね~。一回に出てくる数は少ないけど無限にしいたけも、ナスもピーマンでさえ出てきます!』
「なっ! ロリっ子! ナイスだ! ナイスついでに焼肉のタレを下さい!」
ロリっ子が久しぶりに声をかけてきて、そんな嬉しい事を教えてくれた。
まあ、使っていたら、その内気付いていただろうけど、ロリっ子のことばで『無限に』ってのを聞けたのはデカい。
ついでに今欲しいものを頼んでみたんだけど……。
『ん~、焼肉のタレかぁ、その内カレールーとか、色々頼まれそうな予感しかしないんだけど~』
「カレー! もちろんそれも欲しい! レトルトカレーでも良い! あっ、ごはんもって、米は魔法の麻袋に入ってた! とすると、うどん乾麺とかあればカレーうどんに――」
『はいはい、興奮しないの。まあ一つやって欲しい事あるんだけど~』
(どうしよっかなぁ、東雲友里君がマントにしてる、魔法の革袋に入ってる種を植える場所を探して欲しいんだけど……言っちゃ駄目だしねぇ)
興奮しなきゃくれるって事と思い、俺は触手を二本のばし太ももの上に置き背筋を伸ばし、剣道していた時にやっていた正座して無心になる。
もちろんスライムだから太もも無いし正座はできないんだけど、気の待ちようだよね。
すると、すっとカレーまみれだった頭の中が、精神耐性の助力もあって興奮は波が引くように流れていった。
落ち着いたところで、まわりを見ると、茜ちゃんは新たに出てきたしいたけを鉄板の上に乗せようとしたまま止まって俺を見てる。
イルはフォークに刺さっていたお肉を口に入れようとしたところで止まって俺を見てた。
「あー、茜ちゃんは分かるかな、召喚の時にスキルとかもらった神様が喋りかけてきてね、焼肉のタレをお願いしたらもらえるかなと、ちょっと興奮しちゃっただけだから」
「神様ですの? はぐっ」
あ、食べるのね。
「友里くん、焼肉のタレは必要です、絶対もらって下さい、もちろんカレーも必須ですよ、もらえたら作りますから友里くんが」
「俺が作るんかい! そこは茜ちゃんでしょ! まあ道場でのカレー作りは俺が当番だったけどさ」
茜ちゃんの言葉につっこんだけど、よくよく思い返すと、バーベキューの焼き番は茜ちゃん達女子組で、カレーは俺が中心の男子組だったな。
『まあいっか、今回は特別だからね、ほいっと。じゃあ異世界を満喫してね~バイバ~イまたね~』
(まあ、まだまだ時間もあるし今は良いってことにしておきましょう)
ドサドサッと、なにもない宙から木箱や麻袋が無数に出てきて、地面に落ち、小山を作った。
うおっ、またいっぱいくれたね。
でも、お願いは良いのかな? 帰っちゃったみたいだけど……。
「やったぁー! 友里くん、早く焼肉のタレ探して下さい!」
「ふぐふぐ、んくん。焼ぃ~肉ぅ~のた~れ~♪ 探ぁぁ~しま~すのぉぉ~♪」
「あはは、そだね、よし鑑定しながら探すか――」
ロリっ子のお願いは分からずじまいだけど、どうしてもって時はまた来てくれるだろうし、今回も色々と沢山ありがとうってことで、まずは一個目を――。
「は~いですの~♪ ばーべっきゅ~♪ 楽しいで~すのっ♪ きのこっきのこっ♪ お肉っお肉っ♪」
イルは歌いながら両手に持ったフォークでしいたけと、お肉を取った。
昔、剣道道場前の庭で、俺や茜ちゃん、近所の友達も集まってやっていた事を思い出し、バーベキューをしている。
焼肉のタレはないけど塩だけで、しいたけはもちろんオークリーダーも滅茶苦茶美味しい。
途中で、胡椒があったことを思い出し、魔法の麻袋から出して使っているが、さらに美味さ倍増です。
イルも歌っちゃうくらいご機嫌で、茜ちゃんは焼肉を焼いて大忙しだけど楽しそうだ。
それから野菜も、閉じ込められたままなら慎重に食べたんだけど、外に出て、自由になったってことで、色々出してみた。
ナスやピーマン、しいたけなんかもあったの出だしたんだけど、空になったはずの魔法の麻袋が、少し置いておいたらこんもりと膨らんでいるのに今気が付いた。
「ねえ茜ちゃん、しいたけとか出した魔法の麻袋さ……膨らんでない?」
触手を伸ばして魔法の麻袋を指してみる。
「え? 全部出して焼いちゃった……あれ? 何か入ってますね?」
茜ちゃんの座っている、ストーンウォールの小さい版ベンチに置いた袋へ手を乗せた……でもペタンコにならない。
やはり見間違いではないようだ。
「ふぐふぐ、んくん。しいたけさんも美味しいのです。ん? どうしたのです?」
俺達がゴソゴソとやっていたからイルが口いっぱいに頬張っていたしいたけを飲み込んで、こてっと首を傾げながら聞いてきた。
「うそんっ! しいたけさんですよ! また入っています! こっちはピーマンにナスも元にもどってますよ!」
「マジか! イル、美味しいしいたけ食べ放題だ!」
「おお! 凄いですの! でもナスさんもトロトロで美味しいですの!」
イルは大喜びで、肉の刺さったフォークと、今取ったナスの刺さったフォークを精一杯上にかかげ、万歳状態で、クネクネとしてる。
か、可愛い。
そんなイルを横目で見ながら、次々と魔法の麻袋を開けて中身を確かめている茜ちゃんに、俺にも見えるように袋の口をこっちに向けてもらうと本当に中身が入っている。
『あはは♪ や~っと気が付いたのね~。一回に出てくる数は少ないけど無限にしいたけも、ナスもピーマンでさえ出てきます!』
「なっ! ロリっ子! ナイスだ! ナイスついでに焼肉のタレを下さい!」
ロリっ子が久しぶりに声をかけてきて、そんな嬉しい事を教えてくれた。
まあ、使っていたら、その内気付いていただろうけど、ロリっ子のことばで『無限に』ってのを聞けたのはデカい。
ついでに今欲しいものを頼んでみたんだけど……。
『ん~、焼肉のタレかぁ、その内カレールーとか、色々頼まれそうな予感しかしないんだけど~』
「カレー! もちろんそれも欲しい! レトルトカレーでも良い! あっ、ごはんもって、米は魔法の麻袋に入ってた! とすると、うどん乾麺とかあればカレーうどんに――」
『はいはい、興奮しないの。まあ一つやって欲しい事あるんだけど~』
(どうしよっかなぁ、東雲友里君がマントにしてる、魔法の革袋に入ってる種を植える場所を探して欲しいんだけど……言っちゃ駄目だしねぇ)
興奮しなきゃくれるって事と思い、俺は触手を二本のばし太ももの上に置き背筋を伸ばし、剣道していた時にやっていた正座して無心になる。
もちろんスライムだから太もも無いし正座はできないんだけど、気の待ちようだよね。
すると、すっとカレーまみれだった頭の中が、精神耐性の助力もあって興奮は波が引くように流れていった。
落ち着いたところで、まわりを見ると、茜ちゃんは新たに出てきたしいたけを鉄板の上に乗せようとしたまま止まって俺を見てる。
イルはフォークに刺さっていたお肉を口に入れようとしたところで止まって俺を見てた。
「あー、茜ちゃんは分かるかな、召喚の時にスキルとかもらった神様が喋りかけてきてね、焼肉のタレをお願いしたらもらえるかなと、ちょっと興奮しちゃっただけだから」
「神様ですの? はぐっ」
あ、食べるのね。
「友里くん、焼肉のタレは必要です、絶対もらって下さい、もちろんカレーも必須ですよ、もらえたら作りますから友里くんが」
「俺が作るんかい! そこは茜ちゃんでしょ! まあ道場でのカレー作りは俺が当番だったけどさ」
茜ちゃんの言葉につっこんだけど、よくよく思い返すと、バーベキューの焼き番は茜ちゃん達女子組で、カレーは俺が中心の男子組だったな。
『まあいっか、今回は特別だからね、ほいっと。じゃあ異世界を満喫してね~バイバ~イまたね~』
(まあ、まだまだ時間もあるし今は良いってことにしておきましょう)
ドサドサッと、なにもない宙から木箱や麻袋が無数に出てきて、地面に落ち、小山を作った。
うおっ、またいっぱいくれたね。
でも、お願いは良いのかな? 帰っちゃったみたいだけど……。
「やったぁー! 友里くん、早く焼肉のタレ探して下さい!」
「ふぐふぐ、んくん。焼ぃ~肉ぅ~のた~れ~♪ 探ぁぁ~しま~すのぉぉ~♪」
「あはは、そだね、よし鑑定しながら探すか――」
ロリっ子のお願いは分からずじまいだけど、どうしてもって時はまた来てくれるだろうし、今回も色々と沢山ありがとうってことで、まずは一個目を――。