一ページ
ネクロ「なんでわかったのですか?」
ネクロとザイネはフード脱ぐ 

お姉さん「何となく、魔族の気配がするなと思ったんだよ」

ザイネ「お姉さんは私達、魔族を見て何とも思わないのですか?」

二ページ
お姉さん「いや、何とも思わないよ。私は昔、魔族に助けられたことがあるの。それで思ったの、種族を超えて助け合うことが大切なんじゃないかってね。」

ネクロとザイネはお姉さんの言葉にほっと胸をなでおろす。

ネクロ「それでこの国に魔王軍の攻撃が迫っていると情報が流れているらしいですがお姉さんは国外に避難しないのですか?」

お姉さん「避難しないよ」

三ページ

ネクロ「何ですか?」

お姉さん「そりゃ、思い出が詰まったこの土地から離れたくないよ」

お姉さん「それに私のおじいちゃんやおばあちゃんが歳で動けないから見捨てて逃げることはできないよ」

お姉さん「それよりもう日が暮れるから今日は私の家に泊まりな」

四ページ

ザイネ「いいんですか!」

お姉さん「いいよ」

ネクロ「じゃあザイネ、今日は泊まらせてもらうか!」

ザイネ「はい、ネクロ様!」

お姉さんは不思議そうな表情しながらこう言った
お姉さん(ネクロ……どうかで聞いたような、聞いていないような)

五ページ

布団で三人で寝る姿 ザイネは寝ていてお姉さんとネクロは起きている。

お姉さん「ねえ、あなたはネクロというの?」

ネクロ「そうですよ」

お姉さん「今寝ているこの人に様付けで呼ばれていたけどどういう関係なの?」

六ページ

ネクロは戸惑いながら話す
ネクロ「まあ秘密です」

ネクロは心の中で思う
ネクロ(魔王の息子で魔王軍の隊長とその部下とは言えないからな)

お姉さん「ふーん、そう」

お姉さん「それで私、ネクロという名前に見覚えがあるような気がするんだよね」

七ページ
ネクロ「自分もお姉さんの顔、よく見るとなんか見覚えがある顔なんですよね」

お姉さん「うーん、もやもやするな」


そう言いながら二人は眠り着く

次の朝

お姉さんは家の外でネクロとザイネをお見送り

ネクロ「お姉さん、短い間でしたけどお世話になりました」

八ページ

お姉さん「はいよ!」

お姉さん「それにしてもネクロという名前に見覚えあるんだよね」

ここでネクロが不思議そうな顔をしながら話す
ネクロ「お姉さんの顔、よく見るとなんか見覚えがある顔なんですよね」

お姉さん「ネクロとは一度どこかで会っているかもね」

九ページ

ネクロ「そうですね」

ザイネ「じゃあそろそろ行きますよ、ネクロ様」

ネクロ「またどこかで出会えたらいいですね」

お姉さん「そうだね、またどこかで……」

十ページ

ネクロ「それでは」

ナレーション「ネクロ達はお姉さんに笑顔で大きく手を振りながら去っていった」


魔王軍のいる場所に戻ったネクロとザイネ

戻ってきた姿を見てこう話す
魔王軍の人「ネクロ様、いままでどこに行っていたのですか?」

十一ページ

おどおどしながら話す
ネクロ「まあちょっといろいろと……」

ネクロ(隊長自ら敵にどこから攻めるかなど伝えに行ったなんて言えるはずがない……)

ネクロ(これでバロン王国の人たちを救えればいいけど)

十二ページ

ナレーション「そして魔王軍がバロン王国に攻め込む当日」

夜が明けてきた様子

魔王軍がずらりと並んでいる様子

ネクロが真剣な表情で仁王立ちしている

十三ページ

そしてネクロがバロン王国の方を差す

ネクロ「攻撃開始!」

魔王軍がバロン王国に突入する様子

魔王軍が住民がまったくいないことに戸惑う様子

十四ページ

魔王軍の人1「えっ!?これはどういうことだ!?」

魔王軍の人2「住民が見当たらないぞ!」

そこへ物陰に隠れていたバロン軍の人達や勇者パーティーの人達が一斉に攻撃を仕掛ける。

魔王軍の人1「うわああああああ」
魔王軍1がやられる

魔王軍の人2「うわあああああああ」
魔王軍2がやられる

十五ページ

魔王軍とバロン軍が戦っている様子

魔王軍と勇者パーティー達が戦っている様子

十六ページ

ナレーション「それから何日も戦いは続き魔王軍はバロン王国を占領できずにいた」

ナレーション「そしてある時、ついに魔王軍の司令部からバロン王国から撤退するよう指令が入った」

バロン軍の人達と勇者パーティーの人達が建物が崩壊していたり炎が上がっている中、喜んでいる様子

十七ページ

撤退してきた魔王軍達の様子

ネクロが疲れている表情している
ネクロ(これでとりあえずバロン王国の国民は助けられたな)


場面は変わり魔王軍の本拠地のお城

ダンケは魔王が座る椅子に腰かけている

ダンケの召使「魔王様、軍がバロン王国から撤退をしました」

十八ページ

ダンケは眉間にしわを寄せながらこう話す
ダンケ「なんだと。直ちに軍を立て直しバロン王国に再侵攻しろ」

ダンケの召使「承知しました。魔王様」

ダンケ(ここで負けるわけにはいかない)

魔王軍前線基地にて
一人、テントの中にいるネクロ

十九ページ

ザイネ「ネクロ様。重大な報告があってきました」

ネクロ「入っていいぞ」

ザイネ「はい、失礼します」

ネクロ「それで重大な報告とはなんだ?」

二十ページ

ザイネ「人間達が魔王軍を討伐するため国同士が連携し連合軍が結成されました」

ネクロ「それは本当なのか?」

ザイネ「はい、本当でございます」

ナレーション「ネクロは人間達が巨大な軍を結成されたタイミングであることを考えていた」