「ウオーすげぇー!!」
その場が歓喜に包まれた。
依田くんがカメラの存在を忘れてるのか、映像は大きくブレてガサガサとノイズをさせながらみんなに囲まれて笑う陽之木くんに近づいていく。
「翔先輩!おめでとー!!」
その乱れた映像から、バスケ部員たちの興奮が伝わってくる。 途中見切れた部長の吉村くんが泣いていた。
そして陽之木くんの声がする。
「依田! カメラどうした?」
「あっ。あります!」
「忘れてんじゃねーよお前」
「あはは!」
そしてガサガサと地面や誰かの服が映し出されたかと思うと、陽之木くんの顔のアップに変わった。
陽之木くんの横には依田くんや、他のバスケ部員が映りこもうと顔を寄せている。
「茅野ちゃん! 見た? 見た? 俺めっちゃかっこよくなかった?」
そう嬉しそうに笑う陽之木くんは、少年みたいに無邪気で、キラキラしている。
「いやー、試合より緊張したかも! ははっ、でもいけたわ、愛の力ー!」
周りの皆が大きく口をあけて笑っている。
気づくと、私の口角も上がっていた。
そして陽之木くんは、まだ興奮冷めやらぬみんなからさりげなく離れ、自分の姿を映したまま体育館から出る。
そしてもう日が落ちた外の街灯の下に出た。
一気に喧騒が遠くなると、陽之木くんは咳払いしてから私に話しかける。
「あのさ。 俺今までに何回も好きだよって言ってるけど全然信じてくれてないでしょ? あれ、本気で言ってんだよ全部。 まー俺も今まで言いすぎたなって自覚はあるからさ。 ちゃんと証明したくてこの動画を撮ってます。 ……うん。 だから、今から俺が茅野ちゃんのどういうところ好きなのか、言うね」
その場が歓喜に包まれた。
依田くんがカメラの存在を忘れてるのか、映像は大きくブレてガサガサとノイズをさせながらみんなに囲まれて笑う陽之木くんに近づいていく。
「翔先輩!おめでとー!!」
その乱れた映像から、バスケ部員たちの興奮が伝わってくる。 途中見切れた部長の吉村くんが泣いていた。
そして陽之木くんの声がする。
「依田! カメラどうした?」
「あっ。あります!」
「忘れてんじゃねーよお前」
「あはは!」
そしてガサガサと地面や誰かの服が映し出されたかと思うと、陽之木くんの顔のアップに変わった。
陽之木くんの横には依田くんや、他のバスケ部員が映りこもうと顔を寄せている。
「茅野ちゃん! 見た? 見た? 俺めっちゃかっこよくなかった?」
そう嬉しそうに笑う陽之木くんは、少年みたいに無邪気で、キラキラしている。
「いやー、試合より緊張したかも! ははっ、でもいけたわ、愛の力ー!」
周りの皆が大きく口をあけて笑っている。
気づくと、私の口角も上がっていた。
そして陽之木くんは、まだ興奮冷めやらぬみんなからさりげなく離れ、自分の姿を映したまま体育館から出る。
そしてもう日が落ちた外の街灯の下に出た。
一気に喧騒が遠くなると、陽之木くんは咳払いしてから私に話しかける。
「あのさ。 俺今までに何回も好きだよって言ってるけど全然信じてくれてないでしょ? あれ、本気で言ってんだよ全部。 まー俺も今まで言いすぎたなって自覚はあるからさ。 ちゃんと証明したくてこの動画を撮ってます。 ……うん。 だから、今から俺が茅野ちゃんのどういうところ好きなのか、言うね」