……送信予約。

 色々と納得して、はは、と乾いた笑いが漏れた。
 送られてきたメッセージは、本当に陽乃木くんのものだったんだ。
 今日のためにわざわざ、あれもこれも準備したのだろうか。
 私なんかのために、わざわざ。

「……バカじゃないの」

 こんなことされたら、いやでも理解してしまう。
 陽之木くんにとって私が、少なからず、特別な存在なんだってこと。
 そして、もうここにはいないことも。

 また一粒涙がこぼれ落ちた。

「えーとじゃあ、こっから本題ね。 まだ画面閉じないでよー」

 私は洟を啜って、拾ったスマートフォンを両手で持ち直した。

「えー、突然ですが! いまから茅野ちゃんのために、スリーポイントシュートを五本決めます! 一発本番! は、なんでって思った? ははっ、まーとりあえず見てて」

 ニッと笑った陽之木くんは手をカメラに寄せて画面を真っ暗にさせた。 真っ暗な画面が切り替わったのか、ブツッという音と共に画面が揺れ、程なくして光が入った。