私は昔から好んで小説を読んでいた。幼なじみの月井翔が小説を書いているからだ。翔は史上最年少でのコンテスト受賞をし、一躍有名となった。性は私の誇りだ。
 だが、私達は疫病神に取り憑かれているのかもしれない。翔が不治の病を患った。もう       
小説は書けないらしい。翔の顔が見えなくてもわかる。今日は泣いていた。翔は人生の一部を、私は五感の一部を失った。私達は覚悟を決めた。