「そうか……」
「うん」
「知らなかった、そんな風に思ってくれてるなんて」
「うん。本心です」
「ありがとう。でも、俺としては、もっと頼ってほしい」
そんなに嬉しそうにされると、恥ずかしくて直視出来ない。
変な汗が、噴き出す。
「あと、もう1つ誤解を晴らしたいことがある」
「誤解?」
服部くんは、至って真剣に頷く。
「俺は、ロリコンじゃないからな」
「え……」
「え、じゃない。俺は断じて、ロリコンじゃない」
「無理しなくて、いいよ……」
真面目な顔をして、何を言うのかと思えば。
私の戸惑う様子に、服部くんは頭を抱える。
「……やっぱり、勘違いされてる」
「やっぱりも何も、普段から『年下は可愛い』って言ってるから。そ、それに私はちゃんと知ってるよ」
「知ってるって、何を」
「椿ちゃんとのこと……おっ、応援してるし!」
親指を立てて、エールを送った。
しかし、彼はと言うと、疑問符を頭の上に浮かべる。
「なんで、そこで椿が出てくるんだ?」
「え、だって、2人とも仲良いし、楽しそうだし、距離感も近い、よね?」
私が言い終わると、服部くんは黙る。
「な、何……」
私が問い掛けると同時くらいに、彼の方から距離を詰められ、ギョッとした。
咄嗟に離れようとするも、手首を捕らえられて、動けなくなる。
「ちょっ……」
「俺は椿とは、そんなつもり無いけど。ただ、後輩だから面倒見るのは、当たり前だろ」
「まっ、またまたぁ……照れちゃって」
「でも、清水とは、もっと距離縮めたいって、いつも思ってる。なのに、逃げてくのは、そっちだろ」