言葉のその先が、詰まってしまった。
なぜなら、私たちの輪の中に服部くんが、ドカッと入り込んできたからだ。
その位置は、迷うことなく椿ちゃんの隣。
表面上はにこやかだが、よく見ると目の奥が笑っていない。
「何の話をしてるんだ?」
服部くんがここに来たタイミングは、まさに図ったかのようだった。
さっきまで、向こうで後輩の子たちとじゃれ合っていたくせに。
椿ちゃんは相変わらず、気分が高揚しているらしく、赤みを帯びた顔で、面白がって話し始めてしまう。
「なんかー、清水先輩と直江、怪しいんですよぉ」
「へぇ……怪しい?」
「そうなんですよ! 直江は清水先輩から全く離れようとしないですし、清水先輩もやたら直江のこと、気に掛けてますし!」
それ以上は言わないで、と止めに入ろうとしたが、またもやそれは上手くいかずに遮られる。
椿ちゃんの次は、直江くんによって。
「知りたいですか?」
「……別に?」
――そうです。彼は、本当にこういう人。