僕は佐々岡朝陽17歳。
絶賛自宅警備員をやっている―いわゆる引きこもりである。
今日も自分の部屋で趣味であるネットゲームに勤しみつつ、スマホを使ってSNSで情報共有をしていた。
「次のイベントは大変そうだなぁ…みんなとしっかりと作戦を立てとかないと」
こんな風に独り言を言うのは一人で居ることの多い、引きこもりとしては良くあることだった。
「てか、課金アイテム高すぎ…。あぁ~やっぱりバイトしないと厳しいよなぁ」
こうやって一人でぶつぶつと呟いていると、個別に一通のメッセージが受信された。
「うん?誰からだろう…名無し?」
送信されてきたアカウント名を見ると『名無し』と表記されており、僕はいつものネットゲーム―ここからはネトゲでいくとして、そのネトゲ関連のメッセージだと特に送信者のアカウントを気にも止めずに、軽い気持ちで開いた。
「……これっ…て」
送られてきたメッセージを見た僕は固まった。
そう、まさに思考停止状態だった。
開いたメッセージ内には一枚の画像が上げられており、その画像に写っていたのは3人で写っている、ある家族の写真だった。
もちろんその家族と僕が知り合いという訳でもなく、こんな個人情報としか思えない画像が、謎のアカウントから関係のない僕に送られてくるのが、異常ではあったのだが…。
「…やっぱり…そうだよなぁ」
言葉を振り絞ると言うよりは漏れ出たような声が自然と僕の口から発せられていた。
僕はその画像の真ん中で、セーラー服を着て笑顔でピースをしている同世代の少女に見覚えがあった。
明らかにあの頃より伸びていた、綺麗でさらさらな長い黒髪は、風が吹けばすぐにでもなびきそうなくらいなのが、画像を見ていても感じ取れる程だった。
そして、少し大人っぽくもなっていたが、あの頃の面影を残し、まだまだあどけなく『可愛い』の一言が似合うその表情はまさに彼女であるとすぐに気付いた。
その少女とは…そう。
7年前に僕が泣かした彼女であり…
僕が唯一の想いを抱いた相手…。
ー夜桜結菜だった。
「どうして彼女の写真が…」
そんな彼女の画像が僕のアカウントに送られてくる理由なんて、全く検討もつかなかった。
「とりあえず理由を聞かないとなぁ…」
僕は彼女が写った画像を送ってきたアカウントに向けて、どうして僕にこの画像を送ってきたのか、そして送り主は画像に写っている家族とどういう関係なのかを尋ねてみた。
ーそしてすぐには返信が返ってくることはなく、しばらく時間が経過した。
しかし…まぁ。
何というか。
時がいくら経とうが、僕にとっての彼女は特別な存在に変わりが無いのは事実。
そんな彼女の、おそらく今現在の笑顔の表情が写った写真を手にすると言うのは、嬉しい気持ちもありつつ、背徳感もあり、不思議な気持ちに陥っていた。
「やっぱり成長しても可愛いなぁ…」
脳内で自分の記憶に残っている彼女と重ねつつ、しばらく送信されてきた画像を眺めていると…
「これって…どこかで…」
あることに僕は気付いてしまった。
彼女たち家族が写っている場所…。
僕は記憶を頼りにネットで検索を行った。
「…やっぱり。でもどうしてこんな所で写真を…」
僕に送られてきた謎の一通の画像。
そんな画像に写っていたのは、小学生の同級生であった少女の家族。
そんな彼女たちが写っていた場所とは…
ーとある大病院の中庭だった。
絶賛自宅警備員をやっている―いわゆる引きこもりである。
今日も自分の部屋で趣味であるネットゲームに勤しみつつ、スマホを使ってSNSで情報共有をしていた。
「次のイベントは大変そうだなぁ…みんなとしっかりと作戦を立てとかないと」
こんな風に独り言を言うのは一人で居ることの多い、引きこもりとしては良くあることだった。
「てか、課金アイテム高すぎ…。あぁ~やっぱりバイトしないと厳しいよなぁ」
こうやって一人でぶつぶつと呟いていると、個別に一通のメッセージが受信された。
「うん?誰からだろう…名無し?」
送信されてきたアカウント名を見ると『名無し』と表記されており、僕はいつものネットゲーム―ここからはネトゲでいくとして、そのネトゲ関連のメッセージだと特に送信者のアカウントを気にも止めずに、軽い気持ちで開いた。
「……これっ…て」
送られてきたメッセージを見た僕は固まった。
そう、まさに思考停止状態だった。
開いたメッセージ内には一枚の画像が上げられており、その画像に写っていたのは3人で写っている、ある家族の写真だった。
もちろんその家族と僕が知り合いという訳でもなく、こんな個人情報としか思えない画像が、謎のアカウントから関係のない僕に送られてくるのが、異常ではあったのだが…。
「…やっぱり…そうだよなぁ」
言葉を振り絞ると言うよりは漏れ出たような声が自然と僕の口から発せられていた。
僕はその画像の真ん中で、セーラー服を着て笑顔でピースをしている同世代の少女に見覚えがあった。
明らかにあの頃より伸びていた、綺麗でさらさらな長い黒髪は、風が吹けばすぐにでもなびきそうなくらいなのが、画像を見ていても感じ取れる程だった。
そして、少し大人っぽくもなっていたが、あの頃の面影を残し、まだまだあどけなく『可愛い』の一言が似合うその表情はまさに彼女であるとすぐに気付いた。
その少女とは…そう。
7年前に僕が泣かした彼女であり…
僕が唯一の想いを抱いた相手…。
ー夜桜結菜だった。
「どうして彼女の写真が…」
そんな彼女の画像が僕のアカウントに送られてくる理由なんて、全く検討もつかなかった。
「とりあえず理由を聞かないとなぁ…」
僕は彼女が写った画像を送ってきたアカウントに向けて、どうして僕にこの画像を送ってきたのか、そして送り主は画像に写っている家族とどういう関係なのかを尋ねてみた。
ーそしてすぐには返信が返ってくることはなく、しばらく時間が経過した。
しかし…まぁ。
何というか。
時がいくら経とうが、僕にとっての彼女は特別な存在に変わりが無いのは事実。
そんな彼女の、おそらく今現在の笑顔の表情が写った写真を手にすると言うのは、嬉しい気持ちもありつつ、背徳感もあり、不思議な気持ちに陥っていた。
「やっぱり成長しても可愛いなぁ…」
脳内で自分の記憶に残っている彼女と重ねつつ、しばらく送信されてきた画像を眺めていると…
「これって…どこかで…」
あることに僕は気付いてしまった。
彼女たち家族が写っている場所…。
僕は記憶を頼りにネットで検索を行った。
「…やっぱり。でもどうしてこんな所で写真を…」
僕に送られてきた謎の一通の画像。
そんな画像に写っていたのは、小学生の同級生であった少女の家族。
そんな彼女たちが写っていた場所とは…
ーとある大病院の中庭だった。