立っていられなくなって崩れ落ちる体を、とっさに湊君が支えてくれた。


「謝らないといけないのは私だよ……ごめんね、もう気にしないで。あの時、肩がぶつかったのはわざとじゃない。偶然だった。楽しかったから、2人ではしゃいで……桜が悪いわけじゃないのに、全部、桜のせいにして、私は頑張ることから逃げた。頑張っても頑張っても、同じ高校に行けなかったことが、やっぱり私のトラウマになってて、どうせリハビリしても歩けない、頑張っても無駄だって……そう思った」


「春野。お前が頑張ってきたこと、一生懸命努力したことってさ、絶対無駄にはなってない。俺が保証する。これから先、お前の夢や希望を叶える時、必ずその力は発揮される。今からでも全然遅くない。俺と桜、そしておじさんやおばさんがずっと支えるから。だから、リハビリ頑張ろ」


「湊君……私、私……」


泣き出す夢に、湊君は言った。