でも、それでも、こうして聞ける夢の声が、私は本当に好きなんだ。
当たり前のように、子どもの頃から聞いてたこの明るい声が。
もう一度、楽しく色んな話ができたら……


そんなことを思っていると、ふと、サイドテーブルの引き出しが開いているのが目に入った。


「ん?」


気になって閉めようと近づいたら、中に夢の日記帳が見えた。


「これ……夢が毎日書いてた日記。ここに持ってきてたんだ」


どうしよう。
絶対見たらダメだよね。
わかってる、わかってるけど……
でも、夢の本当の気持ち……知りたい。
ここに書いてあるなら、どうしても知りたいよ。


手が震える。
ただの興味本位じゃない。
これからの私達の未来のため。
ここから抜け出せるなら……


「夢、ごめんね。許してね」


私は、恐る恐る夢の日記を開いた。
椅子に座って、息を吸って吐いた。
たまたま開いたページに書かれていたのは、高校に入る前、中学の終わり頃のことだった。