恐る恐る聞く。
案の定、その質問は、春野の表情を一瞬にして変えてしまった。
せっかくの笑顔を台無しにして申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
でも……
俺は、2人の思いをどうしても知りたかった。


「……それを知って湊君はどうするの? そんなに桜のことが心配?」


睨みつけるような目に少しドキッとした。
明るい顔しか見たことなくて、こんな表情もするんだと驚いた。


「クラスメイトとして、ずっと落ち込んでる友達を見てるの、すごくつらいんだ」


「……優しいんだね。だからモテるんだろうけど。イケメンで、優秀で、運動神経までよくて、その上性格も良いなんて、湊君は完璧過ぎる。だから私も……湊君のことを好きになった」


「えっ?」


「ずっと見てたよ、中学の時。たまに話せたら本当に嬉しくて。彼女になりたいって思ってたけど、結局告白はできなかった。でもね、この前湊君が来てくれた時に、中学時代の気持ちが戻ってきたの。だから……今度会えたら言おうと思ってた。私のこと彼女にしてほしいって」