個室のようで、他の名前は無かった。
俺は、誰もいない病室の前で耳を澄ませた。
何も……聞こえない。
どうしようか迷った時、
「どなたですか?」
そう声をかけられ、ビクッとした。
明らかに不審者に見えたんだろう。
その看護師さんに怪訝な顔をされた。
「あの……ここに入院されてる夢さんとは同級生で、お見舞いしたいんですけど……」
「あら、そうなの。珍しいわね。夢さんは誰も来てほしくないって言ってるし、毎日来てるのはお姉さんの桜さんだけだから」
「そうなんですか?」
「もちろんご両親も時間があれば来られますけど、お仕事がお忙しいみたいで。だから毎日桜さんが。ちょっと待ってね。夢さんに聞いてみるわね。お名前いいかしら?」
「はい。麻倉 湊です」
俺は、頭を下げた。
こんなことして良かったのか、少しの罪悪感が湧き上がる。
でも……
きっと、何かが変わるような気がして、ほのかな期待感にも包まれた。
俺は、誰もいない病室の前で耳を澄ませた。
何も……聞こえない。
どうしようか迷った時、
「どなたですか?」
そう声をかけられ、ビクッとした。
明らかに不審者に見えたんだろう。
その看護師さんに怪訝な顔をされた。
「あの……ここに入院されてる夢さんとは同級生で、お見舞いしたいんですけど……」
「あら、そうなの。珍しいわね。夢さんは誰も来てほしくないって言ってるし、毎日来てるのはお姉さんの桜さんだけだから」
「そうなんですか?」
「もちろんご両親も時間があれば来られますけど、お仕事がお忙しいみたいで。だから毎日桜さんが。ちょっと待ってね。夢さんに聞いてみるわね。お名前いいかしら?」
「はい。麻倉 湊です」
俺は、頭を下げた。
こんなことして良かったのか、少しの罪悪感が湧き上がる。
でも……
きっと、何かが変わるような気がして、ほのかな期待感にも包まれた。