やっぱり……
すごく好き。


こんな私が、キラキラした湊君を想うなんてダメだってわかってるけど、でも……


「と、友達って……急に言われても」


「友達なんて、簡単になれるだろ? これだけ話したんだから、もう『友達』。だからさ、話してみてよ、桜の悩み。俺、何でも聞くよ」


「な、悩みなんて全然無いし、あったとしても、湊君に聞いてもらわなくても平気だから」


強がりばかりのセリフ。
情けない程素直になれない。
本当の気持ちが言えなくて胸がチクチク痛い。


「俺、桜の笑った顔、好きなんだけど」


「……湊……君?」


「お前の寂しい顔、これ以上見てられない」


そんな……
そんなこと言われたら……


突然、会話を遮るように、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。


「じゃ、じゃあ、戻るね」


私は、目的地が同じ湊君を無視して、その場をまた逃げるように急いで離れた。