「血がでてびっくりしたけど、陽介君がけろっとしてたのにもびっくりした」
「『刃物で切れる』ということはああいうことだ」
ふざけていた男子は、こっぴどく木暮に叱られた。使う物によっては、人に危害を加えてしまう物や薬が保健室にはある。決してふざけてはいけないと。ついでに陽介も、人が疑問に思ったからといって自分で実演してはいけないと説教された。
藍がはさみの切れ味を知りたいのだと陽介は気が付いて、藍にそれをさせず自分の指を切ってみせた。決して恩着せがましくなく、こともなげにそういうことをした陽介に、藍は興味を持った。
「陽介君は、あの時のこと覚えていないみたい。きっと彼にとってはたいした出来事じゃなかったのね。でも私は覚えてた。そんな風に私の考えを汲んでくれる人って、あまりいなかったから。陽介君に興味を持ったのもその時。だから、陽介君と話をするようになって、友達になれて、すごく嬉しかったの」
「そうか」
「『刃物で切れる』ということはああいうことだ」
ふざけていた男子は、こっぴどく木暮に叱られた。使う物によっては、人に危害を加えてしまう物や薬が保健室にはある。決してふざけてはいけないと。ついでに陽介も、人が疑問に思ったからといって自分で実演してはいけないと説教された。
藍がはさみの切れ味を知りたいのだと陽介は気が付いて、藍にそれをさせず自分の指を切ってみせた。決して恩着せがましくなく、こともなげにそういうことをした陽介に、藍は興味を持った。
「陽介君は、あの時のこと覚えていないみたい。きっと彼にとってはたいした出来事じゃなかったのね。でも私は覚えてた。そんな風に私の考えを汲んでくれる人って、あまりいなかったから。陽介君に興味を持ったのもその時。だから、陽介君と話をするようになって、友達になれて、すごく嬉しかったの」
「そうか」