彼のキス。
 あまりにも激しくて。
 朦朧としそう、意識が。

 そうなりながら。
 ポンポンとする、彼の背中を。


「苦しい?」


 彼が唇を離し。
 訊いた、やさしく。



 そんな彼は。
 やっぱり余裕で。

 私はこんなにも呼吸が乱れているのに。


 そう思いながら頷く。


「色っぽい」


 え?


「ほのかに苦しそうにしてる表情(かお)が色っぽくてたまらない」


 えっ⁉


「そんなにも色っぽい表情(かお)をされると、
 ますます止められなくなる」


 えぇーっ‼