彼の言葉。
 考える、その意味を。

 そういう間もなく。
 塞がれる、あっという間に。
 彼の唇に。



 激しいっ‼

 あまりの激しさに。
 できない、息がっ。


 そう感じ。
 慌てるように背中をポンポンとする。


「苦しい?」


 彼の唇が離れ。
 やさしい声のトーンで訊かれた。

 そんな彼は。
 私とは真逆で。
 余裕な感じ。


 なんで。
 そんなにも余裕なの?

 そう思いながら。
 小さく「うん」と頷いた。


「足りない」


 頷いた、正直に。

 だから。
 落ち着く、そのまま。
 そう思った。


 それなのに。


「足りないから、
 あと5分」


 塞がれた、唇を。