翌日、病院から連絡があって急いで家を飛び出した。病室の前には波瑠の家族が立っていて、中へと通された。
「おはよう、茜君……昨夜はよく眠れた?」
そう言ってベッドに横たわる彼女と目が合った。
「波瑠……」
そばに駆け寄ると、波瑠は照れたように笑った。
「えへへ……手術は成功。経過観察はしばらく必要だけど、もうこれからは入院しなくていいんだって」
「よかった……」
波瑠の手に触れるとちゃんと温かい。これは夢じゃないんだって実感する。
「お父さんたちがね、茜君が来たらしばらく外で時間を潰してくるって。三十分くらい帰ってこないと思うよ」
「それは気を使わせてしまったな」
そう言って俺は姿勢を正した。
「波瑠、今日会ったら伝えたいことがあったんだ」
「うん、聞かせて」
暗闇のような日々に君が光を照らしてくれた。遠い昔に忘れてきた、生きる楽しさも、人を愛する気持ちも、全部君が教えてくれたんだ。
「波瑠のことが好きです。俺と付き合ってください」
「もちろん。喜んで」
そう言って微笑むと、波瑠は体を寄せた。顔が近づく。
至近距離に目を瞑ると、唇に固い感触があった。
目を開けると、赤い顔をした波瑠がいた。
「歯、当たっちゃった……」
俺は波瑠の頭の後ろに手を回し、顔を近づける。今度は柔らかい感触があった。手を離すと、波瑠の顔はさらに真っ赤に染まっていた。
「夢で見た以上に可愛いな」
俺の言葉に初めはきょとんとしていたが、意味を理解したのか頬を膨らませた。
「もう! 茜君のバカ! ……ふふっ」
波瑠が笑うから俺もつられて笑った。
錯覚なんかじゃない未来が、そこにはあった。
「おはよう、茜君……昨夜はよく眠れた?」
そう言ってベッドに横たわる彼女と目が合った。
「波瑠……」
そばに駆け寄ると、波瑠は照れたように笑った。
「えへへ……手術は成功。経過観察はしばらく必要だけど、もうこれからは入院しなくていいんだって」
「よかった……」
波瑠の手に触れるとちゃんと温かい。これは夢じゃないんだって実感する。
「お父さんたちがね、茜君が来たらしばらく外で時間を潰してくるって。三十分くらい帰ってこないと思うよ」
「それは気を使わせてしまったな」
そう言って俺は姿勢を正した。
「波瑠、今日会ったら伝えたいことがあったんだ」
「うん、聞かせて」
暗闇のような日々に君が光を照らしてくれた。遠い昔に忘れてきた、生きる楽しさも、人を愛する気持ちも、全部君が教えてくれたんだ。
「波瑠のことが好きです。俺と付き合ってください」
「もちろん。喜んで」
そう言って微笑むと、波瑠は体を寄せた。顔が近づく。
至近距離に目を瞑ると、唇に固い感触があった。
目を開けると、赤い顔をした波瑠がいた。
「歯、当たっちゃった……」
俺は波瑠の頭の後ろに手を回し、顔を近づける。今度は柔らかい感触があった。手を離すと、波瑠の顔はさらに真っ赤に染まっていた。
「夢で見た以上に可愛いな」
俺の言葉に初めはきょとんとしていたが、意味を理解したのか頬を膨らませた。
「もう! 茜君のバカ! ……ふふっ」
波瑠が笑うから俺もつられて笑った。
錯覚なんかじゃない未来が、そこにはあった。