「おお」
思わず三人揃って声が漏れる。
淡いピンク地に赤い花が散りばめられたデザインはいかにも彼女らしい。
頭のてっぺんでお団子を作り、私を見てと言わんばかりに満面の笑みでくるりと回った。
「今日のためにお母さんから送ってもらいました」
いつもと違う月は想像以上に可愛いかった。
一瞬、見惚れた。
「いい、やっぱ最高。月可愛い、めっちゃ可愛い!」
「でしょー?」
興奮する熊から褒められる月はまんざらでもなさそうで、傍からはよっぽどのバカップルに見えた。
「どうかな」
ちょこちょこ近寄ってきた彼女が改まったように見上げてくる。
「可愛いんじゃん」
なんとなく照れ臭かったが、目を逸らしながら言うと嬉しそうにはにかんだ。