ルームメイトの元に戻ったのは、ちょうど十五時を過ぎた辺りだった。

 用意されていた焼きそばを昼食に食べて以来、ずっと動いていたからかもうへとへとだ。

「そろそろ夕食の準備に入ります。グループごとに食材を用意しているので、テントの設営が終わったところから順番に取りに来てください」

 広めのテントになだれ込み疲れた体を休めていると、次の行動を指示するアナウンスが流れる。

 お腹の音とともに起き上がる。〝夕食〟という言葉につられて少しやる気を出した。

「腹減った、行こうぜ」

 熊を連れて配給用のテントへと向かう中、辺りがいつの間にかにぎやかになっているのが分かった。

 始まってすぐのときは、みんな個々のグループで固まってルームメイト同士ですら探り探りの状態だった。でも今は男女一緒になって、みんなでやろうとする団結感が見て取れる。どこも楽しそうだ。

「君たちがきっかけよ? ああやって協力し始めたの」

 テントに来て何食わぬ顔で食材を受け取ろうとしたら唐突に言われた。

「男女のグループを作らなかったのはわざと。お互いの出来ることを補って、自主的に助け合ってほしかったからね」

 黒髪ボブのボーイッシュな女教師がにっこり微笑みながら、ぺらぺら話し出す。お米の入った袋をどんと手の中に落としてきた。

「出かした。君たちのおかげでいい光景になったよ」

 なにがなんだかわからずに熊と顔を見合わせる。はあ、と気のない返事をした。