カーテンの隙間から外に漏れ出す光に照らされて、少しだけ月の頬が赤くなっているのが分かる。

 ずっと教室で話題にしていたし楽しみにしているのは知っていたけれど、これはどう受け取るべきだろうか。

「みんなでね! そう、みんなで」

 勘違いしそうになったのに気付いたのか、焦って付け加える彼女が恥ずかしそうに笑う。

「ああ、だよな」

 俺は自意識過剰か。

 一瞬ふたりで行こうと言われているのかと思い、危うく早とちりしておかしな返答をしてしまうところだった。

「ん?」
「ううん、楽しみにしてるよ」

 顔を引きつらせながら何事もなかったように装い、家の中に戻った。