日が暮れて海くんたちの家に集まった。

 大きなクリスマスツリーと煌びやかな装飾に囲まれる。

「メリークリスマース!」

 七面鳥を中心に並ぶ豪勢な料理を前にして、私たちはノンアルコールのシャンパンで乾杯した。

 クリスマスソングを流し出すマリアさんがキッチンの方で楽しそうに小躍りをする様子が見え、思わず笑みがこぼれた。

 チキンを頬張りながら、ちらりとナオミに視線を向ける。

 改めて凹凸のある美しい横顔を見たらついつい見惚れてしまう。

「ん?」

 あまりにも見過ぎていたのか、グラスを片手に向いた顔がやっぱり綺麗で、なんだか悔しかった。

「ナチュラル美人……羨ましい」

 私はいじけるように口にしていた。

「そういえば、海いないね」

 ふと部屋を見回しながら言うナオミの言葉に固まる。

 やっぱり海くんが好きなんだ。

 ビーチで見た光景を思い出し、疑惑が確信に変わっていく。無意識に探してしまうのは、好意を寄せているからだ。