キャンプで誠くんとの関係がバレそうになったときも。自宅謹慎中の彼と抜け出したのがバレそうになったときも。
いつも助けられていたのは私だった。
悪く見られがちな自分を犠牲にして、わざと悪者になろうとしてくれた。
「だから俺は四人がいるってことがここにいる理由になった。それでいいんじゃん」
最後に視線がぶつかる。
私に向けられた言葉のようで、胸にどんと響いて全身に鳥肌が立つ。
ここにいる理由はちゃんとあるんだと言われているようだった。
「月、わかってる? 林太郎は俺らがいないとやだって言ってんだよ」
熊くんはいたずらっ子みたいな顔で言う。