「できないと思ってるなら甘く見ないで。私が写真を持って訴えてやるから」

 震える声で必死に言う私の目からは大粒の涙がこぼれ落ちた。

 くそっ、と吐き捨てる誠くんが去っていくのを見ながら、すべて終わったのだと実感する。

 私の恋にピリオドが打たれた。

 その日は五人揃って学校を休んだ。

 あのまま授業を受ける気にはなれず、自転車を走らせビーチを訪れる。平日の昼間は閑散としていた。

「ありがとう」

 みんなが砂浜で足を投げ出して座るのを見て、私は改めて頭を下げた。

「心配かけてごめんなさい。でも、もし誠くんが出て行かなくてみんなに迷惑がかかったらって思うと、私……」
「元気そうで良かった」

 私の言葉を遮って、心配をかき消すようなナオミの声がする。

 微笑む彼女と目があい、じんとした。

 そんなこと気にもしていないと言われているようだ。