「月のために必死でどうにかしなきゃって動いてたんだよ」
私は目の前の光景に目を丸くした。
そこにはもう二度と顔も見たくないと思っていた誠くんの姿がある。
その前にはなぜか海くんたち三人が立ちはだかっていた。
「この島から出て行ってください」
カメラの画面を突きつけて言い放つ海くんの姿がある。
誠くんは今まさに、私と抱き合っている写真を見せられているようだ。
こうなるまでの経緯を聞かされ、昨夜、海くんが必死に証拠を探してくれていたことを知った。
まさかそんなことが起きていたなんて思いもせず、愕然としていた。
「あんな必死になってる海、久しぶりに見た」
すると、熊くんはなぜか微笑んでどこか嬉しそうだった。
なにかを思い出すようにぼんやりとしている。私は意味深な発言が気になってじっと見つめていたら、視線に気付き一瞬迷いながらも重い口を開いてくれた。