ずっと暗闇の中にいる。

 頭は重く体はだるい。ベッドから起き上がる気力さえない。

 たまにナオミの声が聞こえたけれど、元気な声を出すので精一杯だった。

 以前は、仲良くなりたくて声をかけ続けていたのは私の方だったのに、今では立場が逆転してしまった。

「月!」

 朝なのか昼なのかも分からない。

 閉め切った部屋の中で久しぶりに熊くんの声を聞いた。

「月、出て来いよ」

 きっと海くんから事情は聞いているのだろう。

 でも今は話す気になれず、耳を塞ごうと布団を頭まですっぽりと被る。

 扉を叩く音はひたすら続き、耐えられずに勢いよく起き上がった。

「うるさい! 帰ってよ!」

 私はわざと突き放すような言葉を放つ。

「入るぞ」

 しかしなぜか熊くんは扉を開けた。ベッドに置いていたクッションをひたすら彼に投げつける。