何百枚と撮った写真の中から探し出すのは至難の技でどうにも目が痛くなる。
でもこれが唯一の希望だった。
「本当にあんのかよ」
三十分経っても見つからない。
腕組みをして背後に立っている林太郎から声をかけられるが、反応もせず無心に探し続けた。
「あっ!」
思わず大きな声が出た。
木の奥に、ぼやけた人影が少しだけ映り込んでいたからだ。
別の角度のものがないかと必死に矢印で送っていくと、一枚の写真で手が止まる。
「あった」
気が抜けたような声が出た。
覗き込む林太郎もニヤリと笑い、自然とハイタッチを交わしていた。
あとは勝負あるのみだ。