ハロウィンパーティーから一週間が経つが、桜井月は部屋に引きこもったまま学校を休んでいた。

 桐島に彼女の部屋を案内され、薄く扉を開けると真っ暗な部屋のベッドに布団の塊が見える。

「ずっとあの調子」
「そっか」

 もう夕方だというのにカーテンも閉めっきりで動きもしない。

 小さなテーブルに置かれたおにぎりにも、ほとんど手をつけていなかった。

「じゃあ私はふたりと外にいるから。なんかあったら呼んで」
「ああ、さんきゅ」

 ひとりになった俺は部屋の中を凝視した。

 今日まで、心配した桐島が何度も声をかけたようだが、痛々しいほど空元気な声が返ってくるだけで一度も顔は見れていないらしい。

 扉をノックしながら大きく深呼吸をして中へ入った。

「大丈夫か」

 なんと声をかけていいか分からず、在り来たりなセリフしか出てこなかった。

 案の定、返事は返ってこない。

 俺はベッドの横に座りこみ背中を預けた。