ずっと、心の奥で後悔していることがある。

 当たり前に隣にいた君が、自分のせいで跡形も無く奪われていく瞬間を見た。

 自分の無力さに愕然とし、迫り来る事実を受け入れたくなくて目と耳を塞いだ。

それでも逃げることはできず、抗えない絶望が全身を包んでいく。

 そして絶望の海に全身が沈んだその時。
見上げた水面に、希望の光を見たような気がした。

手を伸ばすと、ほんの僅かだけ水面に指先が触れた。

その先にある、淡く輝く希望の光。

 それは、複雑に絡み合っているのに少しでも力を入れれば千切れてしまいそうな糸のように、脆く見えた。
しかし、それに負けないくらいの輝きを放っている。

……あと、もう少し。

 
そしてぐっと手を伸ばして、その光に触れた瞬間。


『────』


──綺麗な青空の下で、優しい声が聞こえたような気がしたんだ。