「穂積にさよならを言いました。涙が止まらない。ほんとうに機械だったら良かったのにと何度も思いました」


「病院での検査で、この間、もうそろそろ歩くこともできなくなるかもしれないと言われました。最後に穂積と一緒に過ごせてよかった」


「穂積は元気かな。泣いていないかな」


「明日はまた病院です。来週から入院になるそうで、そのための検査をするそうです。もう彼に見せることはできないけど、白いワンピースを着て行ってこようと思います」


「変だな。悔しいな。穂積に会いたくないと思っている自分と同じくらいの自分が、穂積にどうしても会いたいと思っています。会ってしまったら、きっと、止まらなくなってしまうのに」


「恋というのは怖いものです。何が怖いって、自分の望みが第一優先になってしまうこと」


「ごめんね、穂積。自分の都合で、あなたと離れて、ごめんね」


「何かで読んだの。相手がいちばんだって、そう思えたら、恋が愛になった証拠だって。わたしはまだまだだね」