少女は、わからなかった。
 生きているわけがわからなかった。

 命を永らえらせるための苦痛をひたすらに受けることを人生と呼ぶのならば、生きていることに価値なんてない。



 少年は、わからなかった。
 生きていく理由がわからなかった。

 失われるものを手に入れていくことの繰り返しを人生と呼ぶのならば、生きていることに価値なんてない。

















 だったらなぜ、わたしは、僕は、——生きているのだろう。