私達の日常は何も変わらない。
身内としての付き合いは永遠に続いていく。


でも、あの日を境に、私達の関係は確実に変わった。
従兄でもない、友達でもない、恋人でもない不思議な関係。

ううん、私は恋人だと思っている。
だって、私達は口には出せないけれど、お互いを思いやって愛している。

人には言えない分、好きな気持ちはコップからあふれ出る水のようで、目を閉じれば結太の笑顔しか浮かんでこない。


二十歳の冬、大晦日で年越しそばの慌ただしさが過ぎ去った深夜、私達はキスをした。

苦しくて切なくて甘いキスは、私と結太の気持ちのふたを開けた。

開いてしまった気持ちのふたは、カタカタと音を立ててどこかへ転がって行った。


結太が好き…
結太を愛してる…
結太とずっと一緒にいたい…


それは、結太も同じ気持ちだった。
でも、結太は、困ったように笑うだけ。

「どうしようもないよな…」って囁きながら…