「ほら、見てみ。
新しくフォルダも作った。
今日の日付でSTARTって書いてある。
ここには今日からの写真を入れていけばいい。
その第一号が、この写真、OK?」
OK?って言われても、私は意味が分からない。
そんな私の頬に桜の花びらがくっ付いた。
結太はその桜の花びらを笑いながら取ってくれる。
「俺も、決めたんだ…
楓は誰にも渡さないって…」
私は本当に意味が分からなかった。
私の決意が台無しになる前に、もう一度、ちゃんと伝えなきゃ。
「結太…
もう、この関係は」
「この関係はやめる。
今日、この瞬間から」
結太はそう囁いて、真っ青な空を見上げた。
「楓…
いとこでも結婚はできるんだ。
俺は楓と別れてからずっとそれだけを考えて生きてきた。
結婚できるんだったら、やっぱり楓と結婚したい…
世間体とか人の目とか噂話とか、どうでもいいって思えてきた。
俺には、楓がいてくれればそれでいいって。
だから…
楓的に言わせてもらうと、この怯える二人の関係性は今日で終わり。
今日からは、俺達は堂々と生きていく。
新しく生まれ変わるんだ」