「キャロ。暇だから狩りに行ってくる」
ボクにやれることもないし、さすがに食べすぎた。我が身の肉となる前に燃やして来ないと。
「わたしも行くわ。さすがに食べすぎちゃったしね」
ボク以上に食っていたルルも太るのは嫌なんだろう。意外と美意識が高い猫だからな。
「わかった。夜には帰って来るの?」
「手間とったら野宿する」
今から行くとお昼は過ぎる。獲物がいなかったら野宿は決定だな。
「そう。気を付けてね」
机に座ったまま見送られ部屋を出た。
荷物は出してあるのでリュックサックを背負うだけ。そこにルルが乗ってきた。食べすぎたはどうした?
「で、どこに行くの?」
「ゴブリンが出たところに行ってみる」
別にゴブリンを狩るわけじゃないが、あそこは豊かなところだった。鹿やウサギがいるはず。川もあったから魚ってのもいいかも。
「付いて来てるわよ」
「ボクにもか」
キャロを守るために護衛していると思ったらボクもなんだ。
「暇なんじゃない? キャロは閉じ籠ってるし」
確かに。護衛としては暇でしかないか。だからボクに付いて来たのかもしれないな。理由にもなるし。
「どうするの?」
「いいんじゃない。大物を狩れたら手伝ってもらえるし」
以前はボクがやってたけど、キャロのほうが上手いから交代してしまった。なので、腕が衰えたんだよな。大物とか一人で捌く自信がない。
町を出てしばらくすると、サナリクスのリュードとナルティアがやって来た。
「気付いていたか」
「うん。コンミンドを出たときから」
ボクたちが気付いたことに気付いてなかったのか?
「そんなときからか。お嬢ちゃんはぼんやりしているようで鋭いんだな」
ボク、そんなにぼんやりしているように見えるか? まあ、しゃべるのはキャロに任せてるしな。ぼんやりしてると思われても仕方がないか。
「ボクの護衛までするなんて大変だね」
「そりゃ、あのお嬢ちゃんの仲間だしな、お嬢ちゃんに何かあったら悲しむだろう」
「ボクは無茶しないよ」
どちらかと言えば意識散漫なキャロのお守り担当だ。キャロは集中したかと思ったら次には別のことに意識を向けるからな。困ったもんだよ。
「そうだな。で、何しに行くんだ?」
「ちょっと運動。最近、食べすぎたから」
「それは羨ましいもんだ。キャロルのお嬢ちゃんが作る料理は美味いからな……」
忘れそうになるけど、ボクたちは恵まれている。キャロと出会うまでかあ様の料理が一番だと思ってた。でも、キャロが作る料理はそれの数十倍美味しいのだ。あれを知ったら前の食事になんか戻れないよ。
でも、さすがにキャロの料理に慣れてばかりでは舌が肥えてしまう。いざってとき、普通のものが食べられなくなる。たまには粗食にも慣れておかないと。
「それならボクが持っているものを出すよ。サナリクスはボクらのこと見てたんでしょ」
「それもバレてたか」
「サナリクスなら無闇にしゃべらないからね。バレたところで困らない」
ボクらのことをしゃべることは魔法の鞄のこともバレる可能性も出てくる。この人らならしゃべることはないはずだ。
「……おれたちが思う以上にしっかりしているお嬢ちゃんだ……」
「まあ、あの子と一緒にいる子だしね。当然と言えば当然か」
「ボクはキャロみたいに頭はよくないよ」
「お嬢ちゃんほ直感力がずば抜けてんだろうな。おれたちの尾行にも気が付いてんだからな」
まあ、確かに勘はいいほうだ。それしか取り柄がないってことだけど。
「暇なら付き合ってよ。獲物の解体とか手伝って欲しいから。報酬はキャロの作った料理を出すよ」
「やっぱりあの鞄はお嬢ちゃんが作ったんだな?」
「偶然だったみたい。今はもうちょっと優秀な鞄を作れるようになった」
背負ったリュックサックを見せた。
「たくさん入るの?」
「前の倍は入る。欲しいなら売るよってキャロが言ってた」
どうせバレるだろうから教えても構わないと言われている。サナリクスとは仲良くなっておくべきだからって言ってた。優秀な商人、優秀な冒険者との伝手はボクらの後ろ盾になるからって。
「本当か!?」
「うん。魔法の鞄を売ったときと同じでいいってさ」
キャロの魔法には熟練度みたいなものがあるのか、 作れば作るほど魔力消費量が減っているみたいだった。
「これと同じものが人数分ある。キャロが持ってるからいつでも言って」
ボクは管理するの面倒だから食料しか入れてないのです。
「あのお嬢ちゃんは、本当に見た目とおりの年齢なのか?」
「見た目とおりの年齢だよ」
ときどきボクより年上なんじゃないかと思うときもあるけど、興味を持っているときは小さな子供みたいだ。まあ、変わったヤツなのは間違いないけど。
「あとで背負い鞄を見せてくれるか?」
「いいよ。説明するのも面倒だし」
ボクのリュックサックはそう難しい作りにはなっていない。適当に入れて欲しいものを出せる作りになっているだけだ。
「助かる」
「ティナ。獲物は何でもいいのかい?」
「特には決めてない」
「じゃあ、あれにしよう」
ナルティアが空に向けて指を差した。
「鳥?」
「モリガルって渡り鳥さ。冬から逃げて来て今は肥えている時期なんだよ。太ったのが美味いらしい」
それは魅力的な鳥だこと。って、体を動かすために来たのに食べることばかり考えが行ってんな。
「キャロに料理してもらおう」
鳥料理のレパートリーはたくさん持っている。いいのを狩るとしよう。フフ。
ボクにやれることもないし、さすがに食べすぎた。我が身の肉となる前に燃やして来ないと。
「わたしも行くわ。さすがに食べすぎちゃったしね」
ボク以上に食っていたルルも太るのは嫌なんだろう。意外と美意識が高い猫だからな。
「わかった。夜には帰って来るの?」
「手間とったら野宿する」
今から行くとお昼は過ぎる。獲物がいなかったら野宿は決定だな。
「そう。気を付けてね」
机に座ったまま見送られ部屋を出た。
荷物は出してあるのでリュックサックを背負うだけ。そこにルルが乗ってきた。食べすぎたはどうした?
「で、どこに行くの?」
「ゴブリンが出たところに行ってみる」
別にゴブリンを狩るわけじゃないが、あそこは豊かなところだった。鹿やウサギがいるはず。川もあったから魚ってのもいいかも。
「付いて来てるわよ」
「ボクにもか」
キャロを守るために護衛していると思ったらボクもなんだ。
「暇なんじゃない? キャロは閉じ籠ってるし」
確かに。護衛としては暇でしかないか。だからボクに付いて来たのかもしれないな。理由にもなるし。
「どうするの?」
「いいんじゃない。大物を狩れたら手伝ってもらえるし」
以前はボクがやってたけど、キャロのほうが上手いから交代してしまった。なので、腕が衰えたんだよな。大物とか一人で捌く自信がない。
町を出てしばらくすると、サナリクスのリュードとナルティアがやって来た。
「気付いていたか」
「うん。コンミンドを出たときから」
ボクたちが気付いたことに気付いてなかったのか?
「そんなときからか。お嬢ちゃんはぼんやりしているようで鋭いんだな」
ボク、そんなにぼんやりしているように見えるか? まあ、しゃべるのはキャロに任せてるしな。ぼんやりしてると思われても仕方がないか。
「ボクの護衛までするなんて大変だね」
「そりゃ、あのお嬢ちゃんの仲間だしな、お嬢ちゃんに何かあったら悲しむだろう」
「ボクは無茶しないよ」
どちらかと言えば意識散漫なキャロのお守り担当だ。キャロは集中したかと思ったら次には別のことに意識を向けるからな。困ったもんだよ。
「そうだな。で、何しに行くんだ?」
「ちょっと運動。最近、食べすぎたから」
「それは羨ましいもんだ。キャロルのお嬢ちゃんが作る料理は美味いからな……」
忘れそうになるけど、ボクたちは恵まれている。キャロと出会うまでかあ様の料理が一番だと思ってた。でも、キャロが作る料理はそれの数十倍美味しいのだ。あれを知ったら前の食事になんか戻れないよ。
でも、さすがにキャロの料理に慣れてばかりでは舌が肥えてしまう。いざってとき、普通のものが食べられなくなる。たまには粗食にも慣れておかないと。
「それならボクが持っているものを出すよ。サナリクスはボクらのこと見てたんでしょ」
「それもバレてたか」
「サナリクスなら無闇にしゃべらないからね。バレたところで困らない」
ボクらのことをしゃべることは魔法の鞄のこともバレる可能性も出てくる。この人らならしゃべることはないはずだ。
「……おれたちが思う以上にしっかりしているお嬢ちゃんだ……」
「まあ、あの子と一緒にいる子だしね。当然と言えば当然か」
「ボクはキャロみたいに頭はよくないよ」
「お嬢ちゃんほ直感力がずば抜けてんだろうな。おれたちの尾行にも気が付いてんだからな」
まあ、確かに勘はいいほうだ。それしか取り柄がないってことだけど。
「暇なら付き合ってよ。獲物の解体とか手伝って欲しいから。報酬はキャロの作った料理を出すよ」
「やっぱりあの鞄はお嬢ちゃんが作ったんだな?」
「偶然だったみたい。今はもうちょっと優秀な鞄を作れるようになった」
背負ったリュックサックを見せた。
「たくさん入るの?」
「前の倍は入る。欲しいなら売るよってキャロが言ってた」
どうせバレるだろうから教えても構わないと言われている。サナリクスとは仲良くなっておくべきだからって言ってた。優秀な商人、優秀な冒険者との伝手はボクらの後ろ盾になるからって。
「本当か!?」
「うん。魔法の鞄を売ったときと同じでいいってさ」
キャロの魔法には熟練度みたいなものがあるのか、 作れば作るほど魔力消費量が減っているみたいだった。
「これと同じものが人数分ある。キャロが持ってるからいつでも言って」
ボクは管理するの面倒だから食料しか入れてないのです。
「あのお嬢ちゃんは、本当に見た目とおりの年齢なのか?」
「見た目とおりの年齢だよ」
ときどきボクより年上なんじゃないかと思うときもあるけど、興味を持っているときは小さな子供みたいだ。まあ、変わったヤツなのは間違いないけど。
「あとで背負い鞄を見せてくれるか?」
「いいよ。説明するのも面倒だし」
ボクのリュックサックはそう難しい作りにはなっていない。適当に入れて欲しいものを出せる作りになっているだけだ。
「助かる」
「ティナ。獲物は何でもいいのかい?」
「特には決めてない」
「じゃあ、あれにしよう」
ナルティアが空に向けて指を差した。
「鳥?」
「モリガルって渡り鳥さ。冬から逃げて来て今は肥えている時期なんだよ。太ったのが美味いらしい」
それは魅力的な鳥だこと。って、体を動かすために来たのに食べることばかり考えが行ってんな。
「キャロに料理してもらおう」
鳥料理のレパートリーはたくさん持っている。いいのを狩るとしよう。フフ。