さすがに野宿する場所まで戻るのも面倒なので、近場の小川を見つけ、そこで石を集めて竈にし、枯れ葉や枯れ枝を集めて火を焚いた。

「そのまま食べるの?」

 マコモを枝を削った串に刺すティナに尋ねた。

「うん。焼いて食べるのが一番マコモを感じられる。美味しく食べるなら塩かな?」

「じゃあ、わたしは塩をかけて食べるわ」

 まずは美味しく食べさせてもらいます。

「ボクはそのまま食べる」

 塩をかけたのはわたしが焼くことにし、いい感じに焼けたら口にした。

「……美味しい……」

 焼ける匂いもよかったけど、食べるとさらに香りがよかった。さらに味もよかった。なんと表現していいかわからかいのが残念だ。これが金貨で取引されるのも頷ける。

「なぜこれで皆採らないの?」

「生臭いし、この辺は毒キノコが多いから採らないんだと思う。これまで食べたことないでしょう?」

「言われてみれば確かに。それに、道端になるものは食べるなって言われたかも」

「毒草が多い地だから食べないほうがいい」

 そうだったんだ。帰ったらティナから食べられるものと食べられないものを教えてもらおうっと。