蒼来へ
まずは手紙を読んでくれてありがとう。
それと、紅葉を見に行く約束を守れなくてごめんな。
蒼来は俺のいない今日を、未来を、胸を張って生きてくれると信じています。
間違えてもすぐに追いかけて来るなよ。
ちゃんと生き切って会おう、いつでも待っているから。
それと、俺は蒼来に会って救われました。
蒼来と初めて屋上で会った日。
俺は、星になろうと思っていました。
星になろうと思って行きました。
その時の俺は自分が嫌いで、現実と向き合えずに運命を恨んでいました。
だから、俺は蒼来に助言できるほど立派な人間ではありません。
口だけの最低男です。
もし俺の発言のせいで蒼来が苦しんでいたらごめんなさい。
そして、好きなだけ俺を恨んでください。
こんなこと、今更言われても迷惑だよな……
あと、最後に一つだけ。
俺は蒼来がいたから生きていられました。
蒼来に対しての気持ちも、嘘偽りない本心です。
本当にありがとう。
じゃあ、また会う日まで。
葉月透真
本文は何度も書き直した跡や震えた手で書き記した跡がいくつもあった。
死への恐怖と闘いながら書いたからだと思う。
少し前の私の気持ちを表しているようにも思えた。