《また入院したんだって?》


 翌日、透真くんは茶化すようにそう言って連絡をして来た。


 《返信が来ないから心配したよ》


 《ごめん、寝すぎていたみたい》


 その返信に、彼の病状の悪化を感じる。


 《でも、無事でよかった》


「蒼来…こそ……」


 声のする方を向くと、そこには透真くんの姿があった。


 透真くんは早紀さんに車椅子を押してもらって、私の病室まで来てくれたようだ。


 私は驚きが隠せず、開いた口が塞がらない、といった状態だ。


 お互いに思うように話せる状態ではないけれど、久しぶりに顔を合わせたことが言葉で伝えられる以上のものを伝えられたような気がする。


 早紀さんは透真くんを送ると、無理しないでよ、と言い残して病室を出た。


 二人きりになった空間は無音だった。


 お互いに体調が優れておらず喋ることもやっとだった。


 「びっくりさせてごめんな」


 透真くんは微かに微笑んだ。 


 「ううん、ありがとう」


 お互いに反応がワンテンポ遅れる。


 「ねぇ、一緒に夢を見ない?」
 「いいのか?」


 「うん、見たいの」


 透真くんが命を削って夢を見ていることには気づいていた。


 きっと、透真くん自身は隠せていると思っていただろうけど。


 「じゃあ、行くよ」


 透真くんの誘導で、あっという間に意識が遠のいていった。