「蒼来……蒼来ちゃん……」


枕元で聞こえる聞き慣れた甘い声。


近くで感じる懐かしい温もり。


徐に立ち上がると、カーテンを開けて空を眺めた。 


微かに光を放つ星や街灯が部屋を照らす。


まだ朝日が昇るには時間がある。


机上に飾ってある、家族3人で撮った、まだ私が幼かった頃の写真に向かって無理矢理微笑みかけてみた。


「もうちょっとだけ待っててね」


再びベッドに横になると、静かに目を瞑った。